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「Aちゃんと離れて、気づいたんよ。俺はこれからもAちゃんと一緒に生きていきたいって。Aちゃんを俺の手で幸せにしたいって。………………んはは、そんな擦ったら目、赤くなるで」
それが告白だと気づいた時私の目からはとめどなく涙が流れる。ゴシゴシと目を擦っていると、不破さんが優しく涙を拭ってくれていた。夢、じゃないのかな。今日起きたこと全部。
「夢やないよ」
私の考えていることなんて、やっぱり不破さんにはお見通しらしい。
「俺は、一人の女性としてAちゃんが好きや」
不破さんは欲しい言葉を全部くれる。
「Aちゃんは?」
そんなの、わかってる癖に聞くんだから不破さんは意地悪だ。
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「……好きです、大好きです」
あの日、あの路地裏で不破さんに出会って本当によかった。猫のふりをした私にもし不破さんが気づいてくれなかったら、とそう考えた時も何度かあった。考えた時、なんだか無性に涙が出てきて、ああ不破さんに出会えて本当に良かったと改めて感じるのだ。あの時からは想像も出来ない結末になったけれど、私は今とっても幸せだ。これからも不破さんと居ればきっと。私が何度迷っても彼はあの時のように私を導いてくれるはずだ。けれど、私はもう迷い猫にはならない。自分の意思で自分がしたいことを不破さんの隣でやっていきたい。そう思えるようになったから。
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蒼井(プロフ) - 狛希さん» 狛希さんコメントありがとうございます。読んでいただいて、その上嬉しいコメントを下さって本当に嬉しいです。ありがとうございます!! (2月6日 17時) (レス) id: 5ecf86ccc0 (このIDを非表示/違反報告)
狛希 - 初コメ失礼します。更新されたところまで読ませていただきました!夢主さんとの心の距離がどんどん離れていくような描写がすごく心に残りました。この作品が好きです! (2月6日 16時) (レス) @page23 id: 81e78c7a48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼井 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/5291025/
作成日時:2024年1月15日 18時