迷い猫とホスト【完】

所以 所在は痛み荷って ページ11

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今日も不破さんは他の匂いをつけて帰ってくる。最初は何とも思わなかったのに、不破さんと仲が深まる度、それはジクジクと胸を痛くするものに変わっていった。1ヶ月、1ヶ月と時間が進んでいく度に不破さんと過ごせる時間が段々減っていることを実感する。昔はホストなんてなんでハマるんだろうなんて思ってたけど、ホストである彼を好きになって、その理由が何となくわかった気がした。


人を好きになることはいけないことではない、と思う。けれど、それを伝えない方がいいこともあることを知っている。現に私がその状態であるし。とまぁそんなことは今は置いといて。


「大丈夫ですか？まだ痛みます？」
「んや、大丈夫。へーきへーき。」


恋って本当に何も見えなくなるんだな、と目の前の絆創膏を頬につけている彼を見てそう思った。どうやら不破さんの姫2人が喧嘩をしていた所を止めに行って巻き込まれたらしい。でも、不破さんは2人のことを全く否定してなかったし、怪我も自分のせいだと言う。こういう所が不破さんに沼るとこなんだろうなぁ。


「不破さんは、なんでホストになったんですか？」
「んー、なんでやろうなぁ。でも、そのおかげでAちゃんに会うことが出来たんやし、なって良かったわ。」


そう言って不破さんは私の頭を優しく撫でる。


「私も、不破さんに会えて良かったです。」


本当に、心からそう思った。











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誕生日まで残り3ヶ月。

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