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92話【カクテルパーティー効果】 ページ46

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皆さんは、カクテルパーティー効果というものをご存知だろうか。カクテルパーティー効果とは多くの音の中から、自分が必要としている情報や重要な情報を無意識に選択することができる脳の働きのことである。今私はそんな言葉があったなと思いだして目の前の出来事をぼんやり見ていた。少し前から周りの人たちが私達の話をしているのが聞こえていた。まぁ私達というか叶さんだが。彼がイケメンやら、かっこいいやらそんな話。






「あの!連絡先交換したいんですけど…!」
「お兄さんいくつですか!?」
「よかったらお話ししませんか?」






目の前には3人の綺麗なお姉様方、大学生だろうか。そんな人たちが叶さんを囲んでいる。私はそんな光景を見ながらどうすることもできず、とりあえず持っていたジュースを飲む。冷たい液体が私の喉を通過する。







「ごめん、僕ら今デート中だから邪魔しないでもらえるかな」






話しかけられたものの、最初は笑顔で対処していた叶さんはそのしつこさに先ほどの笑顔(愛想笑い)を作ったままそう答える。若干邪魔すんなという意味も込められているだろうその優しいけれど少し怖い声色に彼女達は何も返せず帰っていく。私を断りの理由に使ったのはいいが、彼女達は私が見えていなかったのだろうか。彼女ではないが、彼女っぽい人がいてもお茶に誘うものなのか。







「何の話してたんだっけ」
「忘れないでくださいよ」

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:蒼井 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/5291025/  
作成日時:2023年9月1日 19時

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