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89話【二度とあんなことには】 ページ43

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伏見side








Aちゃんはあの時の事を覚えていない。俺が呪い(まじない)をかけて、彼女はあのことを忘れてしまった。だから覚えていないのだ。ズバくんが、女性がとても苦手なこと、昔そのことで、彼女が俺に頼んであの時の気持ち(俺を好きな気持ち)を消したことを。けれど忘れていた俺への気持ちはこの前思い出していたからもしかしたら自力で気づくかもしれないし、一生思い出さないかもしれない。







「Aちゃん、俺から少し頼んでいいかな」








けれど、流石にこうなってしまったからには話すしかないだろう。根本的にズバくんが恋愛感情を持っている彼女を女の子として認識しているのであれば、刀也さんに恋愛感情をもう持ってしまっている彼女は紛れもなく彼から見て女の子であり、それは変えることが出来ない。あの時は恋愛感情を無くして、仲直りしたそうだが、流石にもうそれはいけない。俺も彼女も小さくて、正しい判断が出来ていなかった。2人がこれからもずっと仲良い友達でいるには、彼女ではなく、彼を変えなければいけない。







「叶くんと話がしたいんだけど」








もうこれ以上彼女の苦しむ顔は見たくない。けれど彼も悪くないのだ。彼は被害者である。だが、ずっとこのままという訳にはいかないだろう。俺は彼より年上であり、彼より多くのことを経験してきた、と思っている。俺が、彼女を、彼を救う。もう二度とあんなことには_______。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:蒼井 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/5291025/  
作成日時:2023年9月1日 19時

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