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--- You side
クマのぬいぐるみが居るだけでびっくりやし嬉しいのに、まだ追加であるらしい。
袋の中の小さな箱を恐る恐る開けてみると、指輪がひとつ入ってた。
サイズ的にピンキーリングかな。
「え、これ…」
末『一応、ペアになってるんやけどな』
すごい。
なぁ正門くん、ほんまにサプライズやったわ。
誠也って実はけっこうロマンチストというか、こういうことをさらっとやってくれるし、尽くしてくれるよな。
末『もうすぐ帰れるからさ、そのクマを俺やと思って遊んで待ってて(笑) ちなみに俺も、右手にリングつけてる』
「うぅ、…」
末『大丈夫？(笑)』
「や…大丈夫、めっちゃ大丈夫！！嬉しい、ありがとう」
末『めっちゃ大丈夫てなんやねん(笑) でもまぁ元気出たみたいやしよかった』
「これ、前もって準備してくれてたってことやんな？」
末『まぁ、そうなるな』
「はぁーーもう」
末『なんや』
「誠也」
末『はい』
「好き！！！」
末『ふはっ(笑)』
あと1週間くらい。
普段通り過ごしてたらあっという間なのはわかってるんやけどな。
「……仕事は順調なん？」
末『切り替え早ない？(笑) うまいこといってるよ』
「それはよかった。さすがやなぁ、残りもがんばってな」
末『ありがと。Aも、がんばって待っててな？』
「うん！元気にまってる！」
末『よし！じゃあ、また連絡するわ』
「うん！ほんまにありがとう。おやすみ」
末『ん、おやすみ』
恋人同士でつけるピンキーリング。
わざわざ右手やって言うてくるんは、つまり、そういう意味なんかな。
優しいな、誠也は。
クローゼットの中からクマを引っ張り出して、いつも誠也が寝てる方に置いて一緒にベッドに寝転ぶ。
「…でかいな」
物理的には離れてても、気持ちはすぐそばにある。
そしてそれをこんなにも丁寧に伝えてくれる。
自分の体温でほんのり温かくなってきたクマをぎゅうと抱きしめて、久しぶりに満たされた気持ちで眠りについた。
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作者名：きうい | 作成日時：2023年1月31日 0時
