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--- Seiya side
「……わたし、末澤さんのこと、好きです」
彼女の言葉にドキッとした。
いや、正直、好きになってくれてはいるんちゃうかって、確信はないけどちょっと思ってた。
でもいざ面と向かって言われるとやっぱり嬉しくて。
俺は彼女をそっと抱きしめて、キスをした。
最初はぎこちなかった名前呼びも今日一日で少し慣れたみたいで、『誠也〜』とか言いながらくっついて来たりするのがめちゃくちゃ可愛い。
好きやと伝えたあの日、『好きにさせる』なんて豪語したけど、ほんまに好きになってくれて、彼女になってくれて。これ以上幸せなこと無いなって思う。
でも、なんでか時々不安そうにするから聞くと、自信がないとか言うて珍しくしょんぼりしてた。
末「絶対離さへんから、ずっとそばにおるから」
抱き締めてそう言うと、俺の肩が濡れて染みてくるのを感じた。
「えぇもうやめて、泣いちゃう(笑)」
もう泣いてるやん。強がらんでいいのに。
ただ黙って頭を撫でてると、『ありがとう、私を選んでくれて』なんて言われて、背中に回した腕に少し力が入った。
明日のデートは、2人で軽く考えてみたけど結局カフェにした。俺ら2人ともカフェが好きすぎるんよな。
「こんなにずっと一緒に居たら仕事行きたくなくなるなぁ」
末「ええやん、会社でも会えるんやし」
「てか会社ではあんま距離近いの無しな？」
末「いやまぁ、そんなにはせんけど(笑) その、どこからがあかんかってのは言っといてもらわんと」
「この前の頭ぽんぽんとかも」
末「え、そんなんしたっけ？」
「まって、私だけ覚えてんの恥ずかしいんやけど」
末「え？(笑) いつや…？てかそんなんもあかんの！？」
「とにかくそういうのは2人の時だけにしてください！！」
末「がんばるけど…」
抱き合ってるくせになんのムードもない会話をするのも、俺たちらしくて悪くないと思う。
そろそろ寝るか〜と一緒にベッドに入って、昨日は簡単には触れられへんかった隣の彼女を、今日は遠慮なくぎゅっと抱き寄せた。
Aも、控えめに手を回して応えてくれて。
自分から密着しときながら『甘々やな』なんて言われると照れてもうて、ええから寝るで、とか言うた。
言うたけど、ほんまはもっと触れたくてどうしようも無くて、ちょうど良い位置にあった彼女のおでこにキスをした。
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作者名：きうい | 作成日時：2022年5月11日 12時
