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--- You side
恋愛経験が少ないのもあり、まだたったの1日やけど今日初めて知ったこともあって。
好きな人の髪に触れるのってこんなに幸せなんやってのも、そのうちの一つ。
「はい！乾いた！」
末「ありがとう！」
ノーセットやと顔の良さが際立つなぁ。
やっぱり私じゃ全然釣り合ってないな、なんてまたネガティブな感情が顔を出す。
末「なんか、たまーに不安そうな顔するよな」
「え、してた？」
末「うん」
「んー、あんまりこういうの言いたくないけど、なんか自信なくてさ。誠也は見た目も中身もかっこいいのに、私は…とか思っちゃって。」
末「そんなん、堂々としてればええやん」
「うん…」
末「…俺が選んだ女なんやから」
「やば。かっこよくてムカつく。……でも嬉しい。」
末「なんやそれ(笑) おいで」
そう言って両手を広げる誠也に素直に甘える。
誠也の優しい言葉とあったかさで不安が溶けて、なんか幸せで少しだけ涙が零れた。
「ありがとう、私を選んでくれて」
末「急にそういうこと言うやん、？」
抱き締められてるから見えへんけど、いま絶対赤くなってるんやろうな。
末「明日デートしよっか」
「え、！うん！！」
そっちだって急にそんなこと言うやん。
いちいちドキドキしてどうしようもないのだって、きっともうバレてる。
しばらく抱き合ったままなんてことない話をして、ほなそろそろ寝よか、と言われ昨日みたいに2人でベッドに入ったけど、昨日とは違ってぐっと腰を抱き寄せられた。
もう片方の手が私の首の下に滑り込んできて、華奢そうに見えて意外としっかりしてる腕に包まれて密着する。
「甘々やな」
末「…ええから寝るで」
「はい(笑) おやすみ」
末「ん、おやすみ」
ぶっきらぼうな言葉を投げてくるくせに、おやすみって言う声は甘ったるいし、一瞬おでこに触れた唇の温度が私の体温を上昇させた。
今日から、あの “末澤さん” が恋人になったんやな。
その事実だけでも、胸がいっぱいになった。
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作者名：きうい | 作成日時：2022年5月11日 12時
