連絡先 ページ19
--- You side
あれから1ヶ月と少しが経った。
寒さもすっかりなくなり、一気に夏が近付いてるのを感じる。
もう今週ゴールデンウィークかぁとワクワクしつつ、特に大きな変わりもなくふつうの日々を送ってる。
少しだけ違うことといえば、4月から正門くんのお店に面白い新人さんが入ってきたこと。
びっくりしたのが、小島くん大晴くんと同じ高校に通ってたらしく、お互いに面識は無いものの見覚えはあるらしくて。
世間は狭いのね〜って正門くんと私はのんきに話してた。
そしてもう一つ。
末澤さんとは想像以上によく話すようになった。
相変わらずプライベートなことはそんなに話してなくて、まだあと一歩というところで距離感を掴みかねてるんやけど、いつのまにか名前で呼ばれるようになってて。
末澤さんに『Aちゃん』って呼ばれる度に軽く跳ね上がる気持ちに気付いてしまって、もしかしてわたし末澤さんのこと…なんて思いがチラつく。
でも何故かその思いに抗いたい自分もいる。
これに関しては自分でもよく分からんくて、迷子の状態。
まぁ、みんなでご飯行く話はそろそろ実現したいなぁとは思ってる。
・
ある日の仕事中、いつものように給湯室でコーヒーをいれてると、今日も末澤さんが来た。
「おつかれさまです。いつもタイミング良いですね」
末「おつかれ。Aちゃんが合わせて来てるんちゃうの？」
「私の方が先に来てたんですけど(笑)」
しょうもないことを言って笑い合うのも、今となっては違和感のないこと。
というか、この人はどうしてそんなにサラッとAちゃんなんて呼べてしまうんやろか。
末「そういえばさ、まだ彼氏おらんの？」
その言葉に、初めて話したあの日を思い出す。
恋愛の話なんてあれ以降一回もしてなかったから、少しドキッとした。
・
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作者名：きうい | 作成日時：2022年4月23日 9時
