14話 ページ14
.コナンside
灰原を2人から遠くに連れて話す。
コイツの考えてることは意外とわかりやすいからな。
「安心しろよ、あの人は組織の人間じゃない」
「っでもあの格好…!!」
「あれは違う。胸元あたりにボタンがあったんだ。恐らく校章みたいなモンだろ。高校生で組織の人間というのも考えにくい」
それにアイツは……俺の、俺の、
ぶんぶんと頭を振り雑念をかき消す。しかし浮かんでくるのは彼女の笑顔。
どこか大人っぽくて飄々とした…何か俺らとかけ離れているような雰囲気をもっていた彼女は転入してきたときから皆んなの注目の的だった。あの容姿だからという理由ももちろんあるが。
俺の隣が空いていて、彼女はそこに座ることになった。羨ましがる声がかなり聞こえたが、彼女はまるで聞こえてないかのように無表情で座った。
「…よろしくな」
「うっわ……」
「は?」
俺を見た第一声はそれだった。
不思議だったのは俺の肩や背後を見ながら言ったこと。てっきり"工藤新一"が嫌なのかと思ったが、そうではないらしい。
「大変だね、君。肩とか痛まない?」
「あ、や、まあ」
図星、と言うよりも言われてみればって感じだった。最近事件が立て続けに起きていたから睡眠時間も削られるしサッカーをやる時間も減るしでストレスが溜まっていたからな。
「目、瞑って」
「え?は?」
「早く」
有無を言わせない目に不審に思うも目を瞑った。すると、風がふわっと吹いて、思わず目を開ける。
パチッと彼女と目が合う。
「…あ、開けたな?」
悪戯っ子のように笑い、俺を見た。見惚れるのも仕方ないだろう。ただ、彼女の笑っている姿を見たのはそれが最後だった。
「どう?肩、軽いでしょ」
「…うゎ、ほんとだ」
腕を回してみると肩は軽くなっていて、気分が晴れた。俺は彼女の笑顔を見ただけで肩が軽くなる男なのか?随分と単純すぎやしないか????これでいいのか名探偵(自称)
「じゃ、これからよろしくね。工藤くん」
───────────「江戸川くん!」
思い出に耽っていると、灰原の声と彼女の声が出て重なって聞こえた。…うわ、なにしてんだ俺。
「ちょっと、いきなりボーッとしないでもらえる?」
「わ、わりぃわりぃ」
「ったく…鼻の下伸ばして何考えてたのか」
「俺そんな顔してたのかよ」
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まみこ(プロフ) - 面白かったです〜一気読みしてしまった!!無理しないでほしいですけど是非続編出してほしい!! (2022年11月17日 15時) (レス) @page50 id: 14aa4362dc (このIDを非表示/違反報告)
aaaa(プロフ) - すごくおもしろったです!!無理はしないで欲しいのですが、続編期待しちゃいます( ; ; )それくらい面白かったです!!!!!!ありがとうございました!!!!! (2022年8月29日 21時) (レス) @page50 id: 37531683ef (このIDを非表示/違反報告)
くせらや(プロフ) - Mizukiさん» コメントありがとうございます!!とっても嬉しいです😭✨最初から最後まで面白いと言っていただけるお話が書けてよかったです!!私もこの作品には愛着(笑)があるので、正直とても悩んでいます💭その時は読んでくださると光栄です🙏!! (2022年8月14日 13時) (レス) id: befea80465 (このIDを非表示/違反報告)
くせらや(プロフ) - 亜澄奏ーAsukaーさん» 2回もコメントありがとうございます!!😭スッキリとした完結ではなく、続きがあるような終わり方をしてみたかったのでそう言ってもらえて光栄です✨番外編はどうしようか悩んでます(笑)作った時には読んでくださると嬉しいです🥰 (2022年8月14日 13時) (レス) id: befea80465 (このIDを非表示/違反報告)
Mizuki(プロフ) - 完結おめでとうございます(^○^)このお話は初期から見ていましたが、凄く面白かったです!続きが読みたいなー…なんて、でも本当に面白かったです!これからも応援しております❣️ (2022年8月14日 0時) (レス) @page50 id: e4dddfb1f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くせらや | 作成日時:2022年5月20日 19時