7話 ページ9
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Aは横から聞こえるそのやり取りに心の中でため息をついた。
なんてくだらないんだろう。
話したこともない相手を家柄で決めつけて、何がいいのかさっぱりわからない。
そこにいるはずのない両親が目に見えて、身震いをした。あの人たちみたいな考え方の人がいるのか……困ったな。
手を差し出したマルフォイに、ハリーの手が重なられることはなかった。
「いいよ。友達なら、自分で選べる」
はっきりとそう言ったハリーに、僕の隣にいた女の子は惚けていた。
わかるよ、かっこいいよね。自分の意思を貫いて、世の中に英雄と讃えられる彼は素晴らしくかっこいい。
…僕も、英雄だったら──
「…フン、英雄様は随分と傲慢なんだな。
ところで僕は、もう一つ噂を聞いたんだけど」
「なんでも、セルウィン家の落ちこぼれがいるって」
ドクンッ、と心臓が跳ねた。
彼は、僕のことを言ったのだろうか────いや、僕しかいない。僕のことだ。
周りにいる子達が一斉にこっちを向いた。
じわじわと刺さる視線が、Aは心臓が抉られたように痛かった。
それでも、毎回毎回"落ちこぼれ"と決めつけられるのにはイライラとしていた。僕のどこが落ちこぼれなのだろうか。
もし、"容姿"だけを見て決めつけたのならば、
────滑稽だな、そして救いようのない馬鹿だ。
「やあ、マルフォイ君。呼んだかい？」
薄く笑ったAは、自ら名乗り出てきた。
ハリーはAがマルフォイに悪く言われたのが堪らなく悔しかった。一発殴ってしまおうか、いや一発じゃ足りないと考えるほどにハリーは嫌だった。
しかし、自ら進んで出てきた彼の姿を見た瞬間──そんな考えは吹き飛んでしまった。
汽車で見た時と変わらない月魄色の髪、宝石のような瞳、血色のいい唇から発せられる澄んだ声に、周りは自然と静まり返る。
それでも汽車で見たときより美しかった。
天使のようだと思った。
夜空の下で見る彼は実に神秘的で────誰も目が離せなかった。
彼も星なのではないかとハリーは感じた。
それはマルフォイも同様で、「白髪の穢れた奴」という認識だった彼は、この世のものとは思えない美しさを持つ王子様のような彼に頬を赤く染めている。
「じ、自分から名乗り出るなんてな!」
「ふふ。君が呼んだんじゃないか」
その微笑みに、マルフォイは耳まで真っ赤にした。
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すしを(プロフ) - 作者様受験合格おめでとうございます！ (2月7日 4時) (
レス) @page23 id: 83df5084ef (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - くせらやさん» ✉️。こんにちは！とても面白いです！もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか？これからも更新応援してます💖☺️ (2月4日 21時) (レス) id: f769238e4f (このIDを非表示/違反報告)
くせらや(プロフ) - ベルモットさん» 文章の色気なんて…っ😭その言葉が浮かぶ貴方様の語彙力が素晴らしすぎます😭✨最高の褒め言葉ありがとうございます！！まだまだ未熟ですがこれからもっともっと頑張りたいです！コメントありがとうございます！！ (8月7日 17時) (レス) id: 7fb7a1a4ed (このIDを非表示/違反報告)
くせらや(プロフ) - たきききさん» ほんっっっとに長い間放置してしまいごめんなさい🙏🙏🙏お待たせしましたお待たせしすぎました！！！これからも続きが気になるような作品にできるよう頑張ります！！コメントありがとうございます！！！ (8月7日 17時) (レス) id: 7fb7a1a4ed (このIDを非表示/違反報告)
くせらや(プロフ) - せらぴーさん» うわあああありがとうございます😭🙏尊敬だなんて恐れ多いですがとてもとっても嬉しいです！！！更新が滞ってしまい大変申し訳ございません…！まじでめちゃくちゃモチベ爆上がりです😭✨ありがとうございます！ (8月7日 16時) (レス) id: 7fb7a1a4ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くせらや | 作成日時：2023年3月3日 17時
