論理と感情 ページ14
･
恋バナとか好きな人の話とか、片想いの段階で友達に話すメリットが分からないのは私だけなのか、と思う事が18年間生きてきて度々あった。
好きな人の話をしているその瞬間はきっと楽しくて心が踊って、その人の名前を出す度にまた想いが募ったりするんだろう。
だけど、自分の想いを知った“周り”がいつも通りでは無くなってしまった時、当事者である“2人”にも多少の変化は生じてしまう訳で。
それによっていつも通りが奪われてしまうくらいなら、自分の中に閉じ込めて置いた方が良いのに、と。
そんな事を、思っていたけれど。
昨日気付いてしまった自分の気持ちをどこかへ吐き出してしまいたくなって、つい口を開く。
･
「ねぇジェシー、私北斗の事好き、かも」
･
小さくなった語尾をかき消すように、ピンポーンとどこかの席が店員を呼ぶ音が響いた。
改めて口に出した「好き」という言葉が直接鼓膜に響いて少し顔が熱くなったけれど、強めの冷房にすぐ冷やされた。
袖から伸びた二の腕に直接風が当たって少し寒いくらい。
ジェシーはと言うとくっきりとした二重の目を見開いて「え…まじ？」と固まったかと思うと「あぁ」とか「そうか」とかなんだか自問自答しているようだ。
「でもさっきも話した事もあって…これ以上を望むのは怖いから、どうなりたいとかは思わない」
自分にも言い聞かせるように真っ直ぐ目を見て笑うと、「そっか」とよく分からない表情の彼はほとんど炭酸の抜けてただの甘い液体になっているだろうそれを飲み込んだ。
北斗が言った通りで悔しいけど、勉強には集中出来ない。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1131人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
fm - すごく引き込まれる文章、物語の構成でした。言葉選びも素敵であっという間に一気読みしました。高校生の頃のあの、焦ったい青春を思い出すことができました。ありがとうございました。 (2022年2月6日 11時) (
レス) @page49 id: fa24b69ff2 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ文庫(プロフ) - yanchahime3014さん» 初めまして！青い鳥まで来てくださって嬉しいです、ありがとうございます。優しいコメントをくださる主様が来世こそは｢好きで悪いかぁ｣されますように。 (2020年6月29日 22時) (レス) id: 787b8d528e (このIDを非表示/違反報告)
yanchahime3014(プロフ) - はじめまして。引き込まれて一気に読ませていただきました。そして、青い鳥のフォロー申請させていただきました。切なかったけど、幸せになってくれて本当に良かった。私も「好きで悪いかぁ」ってされたい人生でした。 (2020年6月28日 18時) (レス) id: 7c22139847 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ文庫(プロフ) - しろくまさん» 始まりとエンドロールにもコメントを下さってありがとうございました！泣いてしまっただなんて…しかも2週もして下さったなんて…もっとしちゃって下さい！(厚かましい)今後も楽しんでいただけるように頑張ります！ (2020年6月3日 0時) (レス) id: 787b8d528e (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ文庫(プロフ) - 杏奈さん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました！おお！そのセリフがあってこそのこのお話だと思うので気付いて頂けて嬉しいです。もう少しですが是非お付き合い下さい！^^ (2020年6月3日 0時) (レス) id: 787b8d528e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヨモギ文庫 | 作成日時：2020年5月5日 13時
