Story 1.*･ﾟ ページ2
「アダムー！！」
「な、なんですか、テスラ様…」
「なんですか、じゃないよ！」
ぶーっ、と口を尖らせて文句を言うニコラ・テスラに、俺は苦笑をしながら彼の頭に手をポンと置いた。
日頃のストレスをぶつけすぎたのだろうか。
コンパスの中にいるとはいえ、騎士団の業務も鍛錬も怠ることは出来ない。特に今の時期は忙しく、徹夜近く書類作業をする事もある。
そんな俺、アダム＝ユーリエフは、今日のアリーナで敵を一掃、ストレスをぶつけるように12キルしてきた。
もちろん、しっかりポータルも確保し、しっかりベストプレイヤーも獲った。
テスラの罠にも引っかからず、リリカの火力アップも上手に対処してきたはずだと思う。
それから、あの女のーーーーー、
「ま、私のセルピエンテには氷男も大したこと無かったけどね」
甲高い声。視界の端にちらつく赤髪。睨み返せば、偉そうに妖艶な笑みを浮かべるあの女。イラッとした俺は、つい嫌味を彼女に放った。
「俺のアイシクルコフィンに凍てつかされた貴様にだけは、言われたくないな」
言い返すと、彼女の顔は曇り、瞳にイラつきの色が見える。
「あんたねぇ…」
「はいストーップ！喧嘩はナシだよ！」
俺とあの女、マリア＝Ｓ＝レオンブルクの間に手をブンブン振って割って入ったテスラが、リリカと共にマリアの腕を引っ張って俺から遠ざけていく。
「そうだな、すこしは落ち着くんだな。アダム」
「忠臣様…」
不意に、俺の肩をポンと叩いてきた桜華忠臣と、そのすぐ後ろで羨ましそうにマリアとその隣のリリカをを見ていたマルコス'55に連れられ、俺はその場を離れた。
✱
「はあぁ…」
コンパス内に内蔵された個々の部屋。大きな溜息をつき、電気を付けず、真っ先にベッドに倒れ込む。
疲れを吐き出すかのようにため息を漏らし、枕を手のひらでぎゅっと握る。
王宮の私のとは比べ物にならないくらい硬いベッド。横になったまま頭の髪留めを外し、解けてベッドに、身体にかかる髪を赤く光る爪先で弄る。
負けた。
今日のアリーナ。あいつに。氷の国の、あんな奴に。
セルピエンテバイレもギリギリで回避され、そのあとの通常攻撃で何とか１キル、あとは何も出来ず殺された。
いつもなら、倍にして返してやるのに、今日は手も足も出なかった。
「…悔しい」
思わず口に出る本音。暗い部屋に響き、さらに惨めに思えてくる。
目を閉じ、顔を枕に埋める。
あいつに…、アダムに、次は負けたくない。
そう、思いながら。
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小鳥原咲也(プロフ) - 初めまして！！もう最高のアダマリをありがとうございます！ﾆﾔﾆﾔしながら見させてもらいました(((°o°C=(_ _;投稿これからも頑張って下さい！ (2019年7月25日 14時) (
レス) id: b353114a2c (このIDを非表示/違反報告)
眼鏡。(プロフ) - 凄い私得のアダマリ、ありがとうございます！更新、頑張って下さい！！ (2018年1月14日 22時) (レス) id: 0e24f7fe4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煉 | 作成日時：2018年1月14日 19時
