携帯の持ち主 ページ11
「あ、私、藤田はるのです。前にぶつかった時、もしかしたら携帯落としたかな?って思ってて。違ったら、良いんですけど。ぶつかった後、私の携帯見かけませんでしたか?白い、ストーンで名前書いてあると思うんですけど…」
あ、あの携帯のことだ。
でも、今はあれ、忍が持っているんだ。
私が盗ったって誤解されないように、頭をフル回転させて答えを絞り出す。
「ええ、確かに、私はあの日に携帯電話を拾いました。でも、あれを持ち主に返す義務があると思ったので、今、私の家にあるんです。でも、いじっていないし、拾った時の状態のままです。」
疑われてないかな…ドキドキ。
でも、藤田さんは信じてくれたみたい。
さらりと受け入れてくれた。
「ああ、そうなの。じゃあ、どうしようかな。私、この後塾があるんだ。今日初めてだから、遅刻できないし。秀明って知ってる?私、あそこに通うことにしたの。」
秀明?
私と一緒だ!!
私は、解決の糸口を見つけたような気になって、嬉しくなった。
急に親近感も湧いてきたし。
私、この子と友達になりたい!
思わず、早口で言う。
「私も、秀明に通ってるんだ。良かったら、授業が終わったらカフェテリアで待っててもらえるかな。そしたら、携帯、持って行くから。」
私が勝手に拾ったのに、待たせるのは失礼かな。
私が後日、また時間を作って渡しに行くべきなんだろうか。
でも、カフェテリアの方がゆっくり話せそうだし、携帯電話なら早めに返した方が良いもの。
判断は間違っていないはず。
固唾を飲んで藤田さんの様子を伺っていると、迷っていたみたいだけれど、やがてきっぱり頷いた。
「分かった。待ってる。」
ん、じゃあまた後で!
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優月 - ももさん» ふと作品のことを思い出して3年ぶりに覗きに来ました。更新待っていただけるのは本当に嬉しいのですが、パスワードを忘れてしまって更新ができない状態です。申し訳ありません。パスワードを思い出して、もしまた時間を作ることができたら更新させて頂きます (2020年9月14日 22時) (レス) id: bf40ec70d3 (このIDを非表示/違反報告)
もも - 更新楽しみにしています。 (2020年5月24日 8時) (レス) id: b61f3370af (このIDを非表示/違反報告)
優月 - りりさん» ありがとうございます!これから更新頑張りますね(^^) (2018年1月12日 22時) (レス) id: 3a77fdc37e (このIDを非表示/違反報告)
りり - 面白かったです!更新楽しみにしています。 (2018年1月11日 16時) (レス) id: 276ed20b22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*優月* | 作成日時:2017年12月15日 21時