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11,上杉君の優しさ(彩side) ページ11
「おい、立花!マジでどした?お前ずっとボーっとしてるぞ。
気分悪いのか?ちょっとおでこ貸して。」
そう言って上杉君は、私のおでこに手を当てた。
上杉君の指は、細くて冷たかった。
「ん、ふつーか。
お前、全然集中力なさそーだし、ちょっと早いけど、昼飯食う?元気だそーぜ。」
「ん、そうする。ごめんね、上杉君、迷惑かけちゃって。」
「別に迷惑ってほどじゃないけど…
なんかあったら、溜め込む前に言えよ。
いつでも話なら聞いてやる。」
そう言って、席を立つのと同時に、私の頭の上にパサリと手を置いた。
その瞬間上杉君の優しさに、涙が出そうになった。
「ゲッ?お前なんで泣いてんの?俺、そんな気に触ることした?」
私は黙ったまま首を横に振った。
「じゃ、なんだ、話す気になったのか」
私はコクリと頷いた。
「なんなら、ここじゃあれだし、庭の方に行って話そーぜ。」
そう言って私たちは、ツバメのモニュメントのある庭へ向かった。
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作者名:すもも | 作成日時:2019年1月11日 14時