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二話 ページ2

「ハァァァァ!?!?」


魔界のどこかにあるイフリート一族が住まう家にて驚きの叫び声が響き渡る。声の主はこの度悪魔学校バビルスを卒業した、イフリート・ジン・エイト。卒業式を終えて家に帰った彼が父に告げられたのは見合いの話だった。歴史ある家に生まれたのだからいつかそういう話は舞い込むであろうとは分かってたが、まさかこんなにも早く来るとは思いもよらなかった。


「見合いなんて聞いてない。しかも、なんだよこの相手は!どう見ても幼女じゃないか!!」


机の上に置かれた見合い写真を指差して、平然としている父に怒声を浴びせるが響く気配はまるでない。怒りで尾の炎が普段より轟々と燃え盛る。部屋の気温がいくらか上がったが、彼等には関係ない。そんなことよりも大事なことがあったから。怒りを全て炎にやって、ひたすら理性を壊さないようにしていた。

この時、エイトは全身全霊で見合い写真を見ないようにしていた。

黒い台紙に収められた見合い写真に写っていたのは、自分の目を疑うほど綺麗で、可憐で、儚い純白の美少女。肌も、髪も、角も、着ている服すらも、美少女を彩る全てが真っ白で、唯一の漆黒の瞳に浮かぶ純白に吸い込まれそうになる。この悪魔は本当に悪魔なのか、こんな悪魔がこの世に存在していた事実に身の毛がよだつ。


ーー何色にも染まっていないーー

ーーこの悪魔を染めたいーー



そんな欲を押さえつける。
この欲は、自分という悪魔をだめにしてしまうから。


「はぁ……見合いについては話したし、相手もお前が選んだのを忘れたのか」

「はぁ!?いつ!?」

「この前電話で見合いをするから、1から66の数字の中から1つ選びなさいと言っただろう」


そう言う父の言葉に思い出されるのは卒業式の1ヶ月ほど前の電話。消えかけの記憶を手繰ると、確かに見合いという言葉は出ていた気がするし、何も考えずに6という数字を返したのを思い出して頭を抱えた。頭の中でその日はとても忙しかったから、等と言い訳を浮かべるが後の祭りだ。


「………………あれか。いや、でも……」

「相手にも既に話は通してある。こちらから見合いの話を持っていったのだから、断るは出来ないからな」

「はぁ!?冗談じゃないぞ!?」

「ちゃんと話を聞かなかったお前が悪い。せいぜい小さなレディを泣かせないよう努力するんだな」

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名無し - めちゃくちゃ好きです!!!!!!!!!!!!!更新頑張ってください! (4月28日 11時) (レス) id: fc92663274 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暇潰し | 作成日時:2024年3月10日 22時

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