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〜30〜 ページ38

「愛する妻からの贈り物なんですよ。
それも、”夫婦”でつけることによって何かしらの効力の現れるという面白そうな”指環”。
つけないという選択はありません」


どうしよう、顔に熱が集まって口元が緩みそうになるのを止められない。

目の前の悪魔がたまらなく愛おしくて、空が好きという純粋な陽だまりの中にいるような好きとは全然違う、まるで砂漠のど真ん中で心から水を欲するような焦がれる想い。

私はポケットに入れていた指輪の入った黒塗りのケースを取り出すと、さっと伸ばされた首領(おかしら)が手が持っていく。

美しく洗練された動作で開けられたケースの中にある対の指輪を見た首領(おかしら)は、その色合いが何を意味するのかを察してゆっくりと口が弧を描く。


「クフフフ、どうやらこの”指環”はつけた者にいちばん最適なサイズになるようですね。
なら、私は宝石が小さい方をつけます」

『え、大きほうではないのですか?』

「こちらはあなたをイメージしますからね。
あなたは私をイメージする方をつけてください」

『ぁ、そうゆうことでしたら、分かりました』

「左手を出してください」

『え、自分でつけれますよ』

「私がしたいのです、さぁ」


流れるように左手を取られて、漆黒の大きな宝石が埋め込まれた白銀の指輪を薬指にそっと指輪をはめた。


「悪魔たる私がこのように恋情を抱くのは後にも先にもA、あなただけです。
さぁ、Aも」

『はい』


もう片方の指輪を受け取ると、同じように首領(おかしら)の左手を取って手袋を外し、濡羽色の小さな宝石が埋め込まれた白銀の指輪をはめた。

そして、同じように言葉を紡ぐ。


『私が恋い慕う方は永遠に原初の黒(ノワール)様のみです』


そうすると一瞬だけどす黒いモヤが二つの指輪を繋ぐように現れ、目の錯覚かと疑うくらいすぐに消えてしまった。


『……首領(おかしら)、これってもしかして、呪いの指輪だったりしますか?』

「知っていて買ってきたのかと思いましたが、」

『………』唖然

「その様子だと、知らなかったようですね」

『の、呪いの効果はなんですか』

「あなた、スキルに解析鑑定を持っていませんでしたか?」

『ぁ……すぐ確認します!』


呆れられたような顔をされて、急いで[鍛冶之王(ヘパイストス)]の解析鑑定を使った。

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柏餅(プロフ) - 神すぎます! (4月1日 16時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - ヤバい。ディアブロが尊い!キュン死する (2023年2月8日 21時) (レス) @page46 id: 837bde91a6 (このIDを非表示/違反報告)
白夜ᘛ⁐̤ᕐᐷ - うぅ、続きが気になりすぎて永遠に寝ちゃいそうです……死んじゃいます…それほどしゅき (2022年8月5日 17時) (レス) @page41 id: 82080fd69f (このIDを非表示/違反報告)
- 主人公の設定から好きぃ…。めちゃすきぃ…v (2022年7月17日 20時) (レス) @page41 id: 9cf2b69289 (このIDを非表示/違反報告)
野原の出雲 - クソッこの作品を見たいが為にテスト勉強が出来ない…!どうしてくれるんですか!!(( (2022年5月28日 21時) (レス) @page39 id: 687113cbb2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暇潰し | 作成日時:2022年1月14日 21時

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