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〜13〜 ページ19

「どうやら、まだ楽しませてくれるようですね」

『……”空間消去(イレイス)”!!
ハハッ、消えやがれ』

「っ!!」


この時、初めて”それ”は動揺を見せた。


空間消去(イレイス)”、それは私が上位悪魔(グレーターデーモン)に進化した時に手に入れた新しい[剥離者(キリサクモノ)]の能力の一つ。

スキルを発動した瞬間、私を中心に半径百メートルの巨大などす黒く禍々しい円が出現して、使用者の私すら巻き込んでブラックホールのように亜空間倉庫に取り込み、そのまま円の中を全てこの世から消し去る能力。

消しさられるのはもちろん私も例外ではないが、消し去る前に永久保存の空間に保管してあるフシェ爺の屋敷に避難したので何とか無事だ。

大量の空間を消去したことの確認を終えると、消した空間にあったエネルギーが全て私の体に取り込まれて潜在能力がさらに上がった気がする。

だが、一気に取り込んだせいか吐き気がするし、どうやら取り込めるエネルギーが今の私にとっての上限に達して、潜在能力が上がらなくなってしまったようだ。


時間を開けて元の場所より少し離れた場所に出る。

そこは私が消した空間がぽっかり空いていて、世界がそれを修復しようとゆっくりと元に戻っているところだった。


『……もう、動けない』


”それ”がいないことを確認した私は、力尽きてその場で意識を飛ばし倒れ込んだ。

”それ”がそう簡単に負けるとは到底思えない。

だから、私は負けてもいないし勝ってもいない。

けど逃げなかった、それで十分だ。




ーーー
ーーーーー


「ふむ、確認不足のままその場で気絶しますか。
もし私があなたを気に入らなかったら、今頃、魂ごとこの世から消されていましたよ」


そう言って、Aが密かに”それ”と読んでいた存在。

この世界に存在する全ての悪魔達の最高位に君臨する原初の悪魔の一柱(ひとり)、”原初の黒(ノワール)”もしくは”クロ”と同格の者から呼ばれる悪魔は、目の前倒れ込んだAを見つめる。

そして何かを考え込むように顎に手を添えて、少し経つと足元に転がっている彼女を雑に拾うと、その場から姿を消した。

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柏餅(プロフ) - 神すぎます! (4月1日 16時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - ヤバい。ディアブロが尊い!キュン死する (2023年2月8日 21時) (レス) @page46 id: 837bde91a6 (このIDを非表示/違反報告)
白夜ᘛ⁐̤ᕐᐷ - うぅ、続きが気になりすぎて永遠に寝ちゃいそうです……死んじゃいます…それほどしゅき (2022年8月5日 17時) (レス) @page41 id: 82080fd69f (このIDを非表示/違反報告)
- 主人公の設定から好きぃ…。めちゃすきぃ…v (2022年7月17日 20時) (レス) @page41 id: 9cf2b69289 (このIDを非表示/違反報告)
野原の出雲 - クソッこの作品を見たいが為にテスト勉強が出来ない…!どうしてくれるんですか!!(( (2022年5月28日 21時) (レス) @page39 id: 687113cbb2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暇潰し | 作成日時:2022年1月14日 21時

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