【文スト】 【旧双黒】は『吸血鬼』。「早く吸わせろ/吸わせ給え。」

　血の香り ページ42

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　超造血期間という名の、吸血鬼に血を吸われるための悪夢の時間も終わり、

　森さんの執務室にある大きなテヱブルの所でケヱキとジュースを口に運ぶ。






　『何て平和なんだろう。』

　「此処マフィアだよ？」

　『平和だね〜』

　「うん。平和だね。」



　森さんはエリスを写真に収める傍ら私とお話する。




　「A。」

　『ん〜？』



　エリスは口に入っているケヱキを飲み込み


　「何処か怪我してるの？」

　だって。





　何処も怪我してないのにと疑問に思うと、


　「何時もより血の香りが強いわ。」

　怪我してるんだったら治してあげる。





　‥‥‥‥‥‥‥ 流れる沈黙。

　如何返していいのか分からない。





　怪我しているわけでもないのに血の香りが何時も以上に強い。

　何故か。






　其れは簡単なこと。

　 女の子の日 の最中だから。






　『大丈夫。気にしないで？』

　「そう云われてもAは唯でさえ甘い香りがするのに、

　我慢するのも大変なのよ？ ねぇリンタロウ。」


　森さんに同意を求めるエリス。



　其れに森さんは

　「エリスちゃん。其れには触れないであげて。」

　と、返してくれた。



　‥‥‥‥‥‥‥何か複雑。



　然し、 と続ける。


　「私達吸血鬼にとって、襲いそうになるのを止めるのも大変なのだよ。」

　分かってくれるね？






　襲うってなんだよ。 分かりたくない。





　「特に中原君と太宰君は君の血にご執心の様だから、

　 暫くは二人と一緒に居るのは危ないね。」




　『でも、ずっと此処に居ても2人がきついでしょ？』

　「血を吸っていいんだったら別の話なんだけどね。」






　如何しろっていうんだ。


　血が減って居る時に、吸血なんてされたら、

　貧血で倒れちゃうよ。




　でも、考えてみると

　『何方にしろ吸血されるよね。』

　「そうだね。」





　変わんないじゃん。







　トントン ))

　執務室の大きな扉がノックされた。




　奥の部屋に戻った私はエリスと二人きりになった。


　「吸っていい？」

　『‥‥‥少なめにお願いします。』



　エリスからの吸血が終わると、

　部屋の扉が開いた。





　「迎えに来たよ。」


　そして姿を現した太宰。

　先刻のノックは太宰だったのか。




　「また明日ねA！」

　『うｎ「「明日は休みだよ。」 あ、そうなの。』



　エリスにまた明後日ね！と云い太宰の家に向かった。

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