2人が出会うお話 ページ26
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たなざわside
高校入学して早々ぼっちだった。
元々人と話すのが苦手で
感情もあまり表にでない、だせない。
友達なんていらないって思ってたから
無理に人と話すこともせずにいた。
1年の頃、クラスには色んな人がいた。
しかし人見知りの俺は
クラスの子と話せるはずもなく、
いつの間にかクラスのグループ的な関係図は
出来上がってしまった。
でもそんなクラスの中に気になる子がいた。
出席番号順の席の時に前の席に座る清水智貴、
彼は入学式とかには来たものの
それから姿を見せなくなった。
ずっと俺の前の席は空いたままで、
少しだけ寂しかった。
1ヶ月くらいが過ぎて
席替えをした頃に彼はまた現れた。
でもクラスではいないもの扱いされていて
先生も彼を気遣ってか、
席は窓側の1番後ろにされていた。
その時、偶然にも俺の席はその隣。
それからともたかと話すようになった。
色白で細っこくて、
でも俺よりも運動神経がよくて、
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でもどこか、いつも孤独を感じているような
寂しそうな瞳を、眼鏡越しに俺は見ていた。
ふわふわした雰囲気のくせに
心に抱えてるものは
きっと俺よりも重い。
何が怖いのかも
なんでそんなに寂しそうなのかも
1年間一緒に過ごしてもわかることは無かった。
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でも俺はそんな彼を
守りたくなるくらいに好きになってしまったんだ。
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2年になってクラス替えが行われた。
俺は先生に頼み込んで
ともたかと同じクラスにしてもらう。
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はずだった。
正直悔しかった。
先生をころしてやろうとも思った。
でもともたかは
「毎日たなっちのとこ行くからね〜」
そう言って余裕そうに笑っていた。
原因は分からないけど
俺から見ると、ともたかは誰よりも
辛そうで
寂しそうなのに
どうしてそんなに笑っていられるの。
それは今でもわからないまま。
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作者名：琉 | 作成日時：2021年2月17日 17時
