△ ページ7
・
『な、七海さん、ホントに…大丈夫ですか…?俺、ちょっとなら反転術式使えますよ…?』
オロオロとするAに、吸血のことをどう、説明しようかと七海が悩んでいると、
『七海さん……何で、さっきから何も言わないんですか…?まだ、怪我…』
Aの顔が曇る。
これは、早く話した方がいいだろう。
そう考えた七海は、Aに話すことにした。
七海「Aくん……」
『あ…はいっ…』
七海「吸血鬼を知っていますか。吸血鬼は、吸血した血で、いろいろなことをします。怪我を治す、これも吸血した血でやりました。
しかし、今、吸血しなければ動けません。歩くのも、吸血した血でやっていますから。」
『え……どういう…ことですか…?つまり、七海さんは、吸血鬼で…それで…今、血を…飲まなきゃならないってこと……?』
七海「はい。正直、話すのですらやっとです、」
Aは、思った。
俺じゃ、七海さんは運べない。
かと言って、一人にして、人を呼びに行くのも無理だ。スマホも、電波を阻害する呪霊が居たため、使えなくなってる。
2つの道がある。
このまま、七海を置いて人を呼びにいくか。
A自身の血を飲ませるか。
『………』
だが、こんな選択をしなくても、Aの答えは決まっている。
後者だ。
自身の血を飲ませる。
Aは、制服の第2ボタンまで外す。
そして、七海に言った。
『俺の血……飲んでください。』
七海が驚いた顔をする。
が、欲望に勝てるはずもなく、Aの首に噛み付く。
『い"っ"……』
感じたことのない、妙な感覚と痛みがAを襲う。
怖さを紛らわす為に、ギュッと目を瞑るA。
終われ、終われ。七海さん、歩けるようになれ……
そう祈りながら、必死に堪える。
暫く吸って、七海は離れた。
どこからか、ハンカチを出すと、噛み付いた傷口に押し当てた。
『七海さん、立てます?』
七海「大丈夫です。A君こそ、立てますか?」
『俺は……大丈夫です。』
ふらりと立ったAは言う。
本当に大丈夫だろうかと七海が思っていると、
『さ、早く、帰りましょ?』
またもや、無邪気な笑みを浮かべるA。
その笑みに敵わなかったらしい、七海は、立ち上がる。
七海「そうですね、帰りますか。」
帰り道、Aは七海の後ろを歩く。
帰り道、七海はAの前を歩く。
任務帰りの寄り道は、これにて終幕。
403人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水柱2(プロフ) - リクエストいいですか?乙骨くんと男主吸血鬼くんをお願いできますか?無理だったら別に構いません! (2022年1月26日 17時) (レス) id: a91e55a1df (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 八守葵さん» ありがとうございます!自分でも書いてて狗巻く〜ん!泣かんで〜!って思ってました(笑)更新頑張ります! (2021年6月6日 13時) (レス) id: e4218c0954 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!待ってくださいシリアスが心にグサッと来ました……泣いてる棘君見て涙目になっちゃいました……兎に角文才と話の内容が上手いです!応援してます!無理はしないように頑張ってください! (2021年6月6日 5時) (レス) id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
一颯 - おおお!笑 ソラさんもお早い返信で…!笑 (2021年5月4日 8時) (レス) id: b51e010d2f (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 一颯さん» 負けねーよ!コメントありがとうございます (2021年5月3日 20時) (レス) id: e4218c0954 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ