前編 [人外夢主] 【中原中也】 ※あやなさん ページ12
- あやな様リクエスト有難うございます。
風が吹いてスカーフが取れそうになるのを手で押さえる。
隣には大好きな中也が居て、確りと手を繋いでいる。
「A。」
ふと、中也が此方を向いた時だった。
スカーフが飛ばされ、私の素肌が露わになる。
一瞬固まった中也は、はっと気付いた様に飛ばされたスカーフを取った。
そして、何もなかった様に私に巻き、手を繋ぎ直し歩き出す。
‥‥‥‥‥‥‥見られた。
見られた。見られた。見られた。
見られた。見られた。見られた。
気付いた時には繋いでいた手を振り離し中也の歩いている方向と逆に走り出していた。
「A!!」
聞こえない。
今の私には何も。
見られてしまった。
‥‥‥‥‥‥‥顔にある忌々しい鱗を。
今迄隠していたのに‥‥‥‥見られてしまった。
私は、右も左も判らない位走った。
此処が何処かももう判らない。
私は、合成獣。人間と他の生き物を合わせて作られた生物。
忌々しいキメラ、この世に居てはいけない。
――― ・ ―――――――――――――― ・ ―――
[ 中也side ]
「A!!」
通い慣れた路地裏を走る。
すると、壁に体を預けて肩で息をしているAを見つけた。
「A。」
『来ないで!!‥‥‥‥』
無視してじりじりと近づく。
『見たんでしょ‥‥‥‥私の顔‥‥‥‥』
「嗚呼、見たぜ。」
そう云うと自嘲した笑みを浮かべて『醜いでしょ。』と云う。
‥‥‥‥俺の足は勝手に走り出していた。
そして、腕はAを壁から奪い取る。
『やめて、』
口を塞ごうとしたが、話を聞くことにした。
Aの手は力強く俺を放そうと押してくる。
「如何したんだ。‥‥‥」
静かに聞くとAはぽつりぽつりと語りだした。
Aは研究所で生まれ育てられ、或時研究所の生活に耐えられず逃げ出し、
路頭に迷っていた処を紅葉姐さんに拾われたらしい。
スカーフを外し俺に顔をみせると、
『私ね。‥‥‥‥人間じゃないの。』
「そうか。」
そう云った処で目から一筋の涙が零れた。
『御免なさい。今迄黙っていて。‥‥‥‥私はもう‥‥‥‥』
【 中也の前から消えるから。 】
【 忘れて。 】
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月瀬ゆうめ(プロフ) - りーこさん» 良かったです♪きゅんとするって云われるととっても嬉しいです(*^^)v (2019年6月25日 15時) (レス) id: b4fecee61f (このIDを非表示/違反報告)
りーこ - 双黒の結婚式 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 140e75a81a (このIDを非表示/違反報告)
りーこ - とてもキュンとしました。 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 140e75a81a (このIDを非表示/違反報告)
月瀬ゆうめ(プロフ) - 凍てつく闇さん» 全然そんな事無いですよっ!!私だって感謝しかありません!!チャットにならないように返信不要です♪良かったらボードに行きませんか? (2018年11月24日 18時) (レス) id: 07bb2550e4 (このIDを非表示/違反報告)
凍てつく闇(プロフ) - ああああ!そして優しい月瀬ゆうめさん!本当に…!感謝しかない!←今に嫌われそうな程ウザい勢い (2018年11月23日 19時) (レス) id: 6a03f091fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月瀬ゆうめ | 作成日時:2018年9月9日 17時