77 ページ28
上に出られると聞き、俺が外に出ようと立体機動で飛ぶと、Aが硬質化した部分に剣を突き立てているのが見えた。
バカか…
頭を押さえたかと思うとそのまま後ろに倒れるように落ちた。
アンカーも外れてやがる…
俺は全速力で降りた。
あの高さから落ちて頭を打って脳をやられたら巨人化の力で再生能力があったとしてもただじゃすまねぇ。
「…A！」
頼む…間に合ってくれ…
Aに何かあったら…俺は…
地面まであと1メートルなかった…
俺はAを抱えて外に出た。
「ナイスキャッチです！」
「…あなたのことは好きになれませんが…Aを助けてくれたことは感謝します」
俺は2人を一瞥し、Aを見た。
頭がぐったりと力なく垂れている。
少し働かせすぎたな…
俺が荷馬車にAを乗せようとすると、ハンジが上半身を起こした。
「えっ？Aちゃん？ちょっとリヴァイ、どうしたの？」
「倒れた。恐らく力を使って疲れたんだろう。少し横に避けろ」
「いやぁ、Aちゃんが隣に来るなんて嬉しいねぇ…」
「Aに手を出したら負傷者だろうと容赦しねぇからな」
「弱ってる人に何もしやしないさ。たださっきの、本人が起きてる時に言ってあげなよ。心配してるよ？」
「心配だと？」
ハンジがAに手を出すのが怖いということか？
いや、多分違ぇな。
「多分リヴァイが本当に自分のことが好きなのか不安なんだよ。大変な状況なのは頭の良いこの子ならよく分かってるだろうけど…」
「けど、なんだ？」
「Aちゃんの過去を知ってるなら、わかるだろ？この子は大変な思いをしてきたんだ。不安に思うのは当然だと思う」
「言いたいことがあるならはっきり言え…」
「こんな状況の中で堂々とイチャつけってわけじゃない。ただ、本当にAちゃんが好きなら、恋人らしいことの一つもしてあげなよ」
「俺は…いや、何でもねぇ。Aが起きたら言え」
俺はAをハンジの隣に下ろし、馬のところに向かった。
確かにハンジの言うことはもっともだ。
俺はAの存在を軽視しすぎていた。
あいつが落ちていく時に改めてAの存在の重さを思い知った。
馬にまたがりAを見ると、ロッド・レイスの巨人の周りの炎を受けてAのピアスが輝いた。
俺は失くしたくないなら外せと言ったが聞かなかった。
頑固なやつだ。
…俺はそれも含めて好きなんだが。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りんご(プロフ) - veltさん» そう思っていただけて嬉しいです！応援ありがとうございます！頑張ります！！ (2018年8月3日 17時) (
レス) id: f91cc499c3 (このIDを非表示/違反報告)
velt - こういうの好き！！ファイト！！ (2018年8月2日 22時) (レス) id: c2e922b993 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りんご | 作成日時：2018年7月31日 17時
