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私は部屋に入ると窓を開けて上を見た。
ここからなら余裕かな。
「みんな、屋根登ろ？エレンもヒストリアも私も、多分殺すために狙われてるわけじゃないから平気だと思うし、どう？」
「いいけどよ、どうやって登るんだ？」
「ジャン、ここ来て見てみてよ。簡単に屋根に登れそうじゃない？」
私はジャンに場所をあけた。
ジャンは上を見て、私を見た。
「立体機動で行くのか？」
「え？そんなわけないじゃん。まぁ私持ってるけど、そのままで行けるよ」
「いや、無理だろ…」
みんなも上を見て、首を振ってる。
あれ…ダメ？
「あのくらいの高さなら屋根掴んで上がれるよ？勢い足りなかったらジャンプして掴んで、そのまま壁蹴って回りながら登ればいいし」
「私たちは自力では無理。Aだけ先に登って、私が下から押して引き上げた方が早い」
「だけどミカサは？下から押してもらわなくても平気？」
「大丈夫」
「わかった。ちょっと待っててね」
私は屋根に登った。
そして屋根にある突起に足を引っ掛けて、下に手を伸ばした。
「いいよー。来て」
私はみんなを引っ張りあげた。
みんな意外と軽かった。
「見てよ。すっごい綺麗」
私は屋根に寝転がって星に向けて手を伸ばした。
手を伸ばしたらそこにあるように見えるのに、実際に手を伸ばしても届かない。
「何やってんだよ」
「星ってさ、近くにありそうに見えるのに、手を伸ばしたら届かないでしょ？私ずっとそんな生活だったから」
「星に届かない生活か？当然だろ？」
「コニー、多分比喩ですよ」
「そう、比喩だよ。届きそうで届かないものは…自由とか、幸せとかさ」
家出して自由になったかと思ったら、その日を生きるのに精一杯で地上すら出られなくて、地上に出ても壁に囲まれた世界。
仲間を得て幸せだったのに失って、裏切られて、もう一度信じてもらえても、ほとんどの時が幸せとは程遠い状況。
改めて世界の残酷さを感じるよ。
でも、そんな残酷さを含めて、この世界は美しいんだ。
「だけどね、私はそれでいいの。簡単に手に入る自由も幸せもいらない。私は自分が一生懸命努力した結果得たものが欲しいの」
「お前本当に同い年かよ。随分大人びてるな」
「ほんとだよ。私は残酷なこの世界の現状を嫌ってほど見たから。その回数と内容の違いだよ」
私はただ、回数が多くて内容が酷かっただけ。
だからみんなが思ってるほど、私は大人じゃない。
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りんご(プロフ) - veltさん» そう思っていただけて嬉しいです！応援ありがとうございます！頑張ります！！ (2018年8月3日 17時) (
レス) id: f91cc499c3 (このIDを非表示/違反報告)
velt - こういうの好き！！ファイト！！ (2018年8月2日 22時) (レス) id: c2e922b993 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご | 作成日時：2018年7月31日 17時
