谷崎家の元妹は (ページ8)

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「Aちゃんは賢いねぇ」

近所の人達の言葉にニコニコと笑う母

「お母さん鼻が高いわ。Aもたまには役に
立つのね」

「Aは何時も役に立ってくれてるよ！」

優しい____

分かってる。これは夢だと
ここにはもう戻れないと

＊＊＊

「あぁ。起きたのかい？」

『はい？』

え、何で家にポートマフィアの元最年少幹部こと酩酊危険男がいるの。

─────てか、何で私家に。どうやって帰ったの

「不思議そうな顔をしているねぇ。
首を絞められてた事は覚えているかい？」

『はい。覚えてますけど』
ていうか、忘れたくてもあんな強烈な体験忘れられない。寝起きでもはっきりと思い出せる。

「君、意識を失って倒れたのだよ。それで私が
君を家まで運んだんた。あ、かぎは鞄から
借りたよー」

ヘラヘラと超絶胡散臭い笑顔。全く信用出来ない。
第一

『あの女性はどうしたんですか。私を素直に連
れて帰らせてくれるとは思えないんですが』

「あぁ。それなんだけどね。君は異能力って信
じるかい？」

『信じていますけど、いきなり何ですか？』
信じるも何も_____が持っていた
でも、それがどうしたの

「実はねぇ。あの女性も倒れたのだよ。君が意
識を失った直後にいきなりね。」

『はぁ。興奮し過ぎていただけでは？』
なんたってそれで異能力という発想になるのだ

「うん。まぁそうかもしれないね」

なんなんだろうその煮え切らない態度は
怪しすぎます。

「あぁ！私君の家に携帯を忘れてたんだった
よ！」

『あっからさまにお話変えましたね！』
うわぁ、逆に凄いと思います。

「それでね、君の家にある事は分かるんだけ
ど、何処にあるかわからなくてね」

『番号教えて下さい。鳴らしますから』

「うふふ。それも助かるけど、私は君と一緒に
探したいなぁとか」

勘弁して欲しい。この酩酊危険男は何を考えているのだろうか、全く読めない。何？女好きとかなの？だったら別にいいんだけど

「あわよくば色々お話したいなぁとか。
君のような美しい人には中々出会えないのだか
らねぇ。ダメかな？」

気がつくとそっと手を取られ撫でられていた。どうしよう。信用は出来ないけど、取り敢えず危険性は無さそう。1晩位関わるだけなら大丈夫かしら。

『いいですよ。』

1人の夜は寂しいし、何より醜態を晒して迷惑をかけた相手を拒めなかった。

「いいのかいっ？」
男は随分と無邪気に笑っていた