愛カギ

会いたっかた人　宏光side ページ29

成田空港を出発しインドに到着してから――

それは本当に戦場のようだった。

旅費は１万円。

「こんな旅してみたっかったんだよ〜」
景気づけにビール飲んで、インドと言ったらカレー!!
寝台列車に乗って
自分のセールスポイントになる書道７段の腕を生かす、
日本から考えて行った自分にしかできない自分だけの旅番組のかたちづくり。

なんて
うまくいってルンルンしていられたのは最初の１日、２日位だった。

何もかもが分からない。伝わらない。
衛生状態だって良いなんて絶対に言えないし。
なにより俺の日本から持って行ったガイドブックの美化されたこと

「ここどこ!?」
「こんなん食っていいの!?」

そして見た貧困に苦しむ子供たち。
てか自分も貧困になってきて…

―心の洗濯。朴浴をして・・・


自分を知らない人、自分も知らない人しか居ない所に突然飛び込んで行って。
苛立ちや、不安がいっぱいだったけど
そういう立場に、瀬戸際に、初めて立たされたとき、信じれるのは自分だけになったとき、本当の自分自身に向き合えたと実感できた。

知らない世界をたくさん知った。

旅の終わりは川に飛び込んだ。
達成感。いや、それ以上にスッキリした感覚。


今なら素直になれる。


なぜなら


この８日間ずっと、ずっと


会いたかったのはAちゃん


君だったよ。


今、この心が綺麗なうちに伝えたい。


その日、現地時間で夕方の便で日本に帰れることが決まった。

Aちゃんにお土産、あとメンバーにもなんかかわねぇとな


戻ってきた財布、ケータイ。

宏光「うお!!」

８日ぶりのケータイに溜まりに溜まったメール。

ほんの少しだけAちゃんのメールを期待する。

宏光「・・・」

でも、俺からしかメールしたことなかったしな。。

宏光「・・・・!!」


―――
ｆｒｏｍ (人1)


会いたい

―――

ストレートな言葉に照れる。
でも、２通目

――
ｆｒｏｍ (人1)

すみません、
先ほどメール誤送しちゃいました

気にしないでください。
―――

一気に天国から地獄へ。

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