愛カギ

またね 宏光side ページ18

きっと茜の話しを聞いて、
いつでも俺がメールしたくなくなったら消せるように、機種変しても変わらない電話番号は送らなくていいって言ってくれたんだろうな


そんなAちゃんの小さな気遣いが今の俺の心では大きかった。


きっとAちゃんと出会ってなかったら


今頃、毎晩女を遊び道具としか思えていなかっただろう。


ファンも怖くなっていたかもしれない。


自分は１人の人に傷つけられただけなのに
それより沢山の関係ない人を傷つけていたかもしれない。


正直に女なんてもう完全に信じないつもりだった


人見知りだとか言い訳して

心の扉をしめて頑丈に誰にも入れない、誰にも開けられないカギをかけていたかもしれない。


でも、そんな事をしようとしていた自分が情けなく思えた。
みんな同じだと思った自分が小いせぇ男だと思えた


こんな俺の頑固なカギを壊してくれたのはAちゃんのアイカギでした……。


宏光｢今日は本当にありがとう。

もー
お世話になりっぱなしで


じゃ、今日はこれで

帰ったらメールするね♪


またね｣


Aちゃんの事色々知れたし
俺の団扇もあったし

アドレスも聞いたし♪


俺のテンションは最高潮だった。
またね。なんて言っちゃって♪

………


また会えるんだよね...


A『彼氏居たら１晩泊めないでしょ』


本当に彼氏居ないの...?


茜『アイドルと付き合えて自慢になったわ』


俺は自慢のための道具...?


急に襲う不安。
やっぱりトラウマって奴が邪魔をする


自分で言って置きながら“またね”がない気がした

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