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そうして、あっという間の昼休み。
俺はＡ組で、AはＥ組。端から端のこの距離で、普段は機会がないと全く話さない。
同中の人は知ってるかもしれないけど、殆どはAと俺が幼馴染みだって知らないんじゃいかなと思う。
一番端っこのＥ組に辿り着き、教室を覗き込んだ。
黒髪のストレート。みぃつけた。
「あ、いたいた。Aー」
意外に自分の声がデカくて、教室に声が通った。…うわ、響いちゃった？
クラス全員が一斉に、俺を見てからAを見た。ちょっと、目立っちゃったかな。
「…なに」
明らかに機嫌が悪い。
イライラしているのか、焦っているのか、視線がゆらゆら揺れて落ち着かない。
「あのさぁ、300円貸して！」
「…はい？」
「財布忘れちゃって！パン買いたいんだよね」
「…ちょっとあっちで待ってて」
廊下の突き当たりでひとけのない、非常階段を指定してきた。
あ、あそこは、カップル御用達の場所ではないか…！
いそいそ非常階段に移動する。
「一体なんなの？やめてよ、注目浴びちゃったじゃん」
300円を俺の掌に投げ入れると、Aは露骨に嫌な顔をした。
そんな怖い顔しないでよーって、可愛くにっこりとお金を受け取った。
「ありがとー。さすがAちゃん」
「やめてよ、気持ち悪い」
「俺にそんな事言うの、Aだけ。ぞくぞくするーぅ」
「バカじゃないの？」
「そだよ、俺はバカだよ。Aが一番良く知ってんじゃん！」
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作者名：七子 | 作成日時：2017年12月17日 12時
