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そして、翌朝。
「玉ちゃん、おは!」
「おはー」
「玉森、おはよ」
「はよー」
朝練を終えてクラスまでの廊下を歩いてると、道行く人に声を掛けられる。
それを適当に返しながら教室に入った。いつもの朝、いつも通りの景色、見慣れた顔ぶれ。
ただひとつだけ違うのは、俺の心の中だけ。だぁーれもなぁーんにも気づかない。
「玉、なんか今日違くない?」
なのに宮田が俺の席に来るなり、顔をじぃっと眺めながらそう言った。
なんだこいつ、すげーな。
「宮田、超能力者?」
「えっ、なにそれなにそれ」
「…こえーよ」
ボソッと言ったら、宮田が首を捻ってる。
そう、俺は昨日の夜、ベッドの中でひっそりと覚悟を決めた。
下手したら、あの煮込みハンバーグをもう食べられなくなる日がくるかもしれない。そんなことを思うのは、母さんが変なこと言ったせいだ。
とにかく、これは決死の覚悟だってこと。
「なんかあった?」
「んー。ちょっとね」
「どーした?」
「まぁ、色々とね」
木製の扉がガラガラと音を立てたと思ったら、宮田は散ってった。
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作者名:七子 | 作成日時:2017年12月17日 12時