7 ページ7
「おじゃましまぁす…」
なんで別れを決意してる子の家なんかに来てんだろう…とぼんやり思った。
玄関に入ると、靴がまなちゃんのしかない。何となく嫌な予感が胸をよぎる。
顔を上げたら、まなちゃんが笑ってた。
「今日、両親が出掛けてるの」
怖かった。
張り付いたような笑顔が、ホラーみたいでマジで怖かった。
女の子にホンモノの恐怖を抱いたのは、まなちゃんが初めてだった。
もしかして、刺される?!
俺、刺されるようなことしたっけ?!
…あ、嘘ついてAんちに通ってたわ。
もしかしてバレてる?
バレてたら完全に刺されるパターンじゃん!!
頭ん中がパニック状態な俺を知ってか知らずか、右手を繋いできたまなちゃんに部屋へと誘導される。
どうやら刃物は持っていないようだ。と、ほっと胸を撫で下ろす。
「今日で三ヶ月だねー」
部屋に入ると、ピンクの丸いクッションに座らされた。
「……そのことなんだけど」
まなちゃんの目を見る勇気がなくて、俯き加減でボソボソと言う。
自分の声と一緒に、金属音が耳についた。
部屋に付いている鍵を施錠した音だと気が付いたのは、まなちゃんが扉の前に立って、後ろ手で何かをしていたから。
「…まなちゃん?」
「ねぇ、あの幼馴染みのことが好きなの?」
「…え?」
「最初から、あの子のことが好きだったんでしょ?」
「いや、違うから!俺はまなちゃんのことが…」
「嘘つき。影でコソコソして…私が知らないとでも思った?」
「…………ごめん…なさい」
ここは謝った方が賢明だ。穏便に、この場を逃れれば……
728人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:七子 | 作成日時:2017年12月17日 12時