検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:135,739 hit

7 ページ7

「おじゃましまぁす…」




なんで別れを決意してる子の家なんかに来てんだろう…とぼんやり思った。

玄関に入ると、靴がまなちゃんのしかない。何となく嫌な予感が胸をよぎる。

顔を上げたら、まなちゃんが笑ってた。




「今日、両親が出掛けてるの」




怖かった。

張り付いたような笑顔が、ホラーみたいでマジで怖かった。

女の子にホンモノの恐怖を抱いたのは、まなちゃんが初めてだった。


もしかして、刺される?!
俺、刺されるようなことしたっけ?!
…あ、嘘ついてAんちに通ってたわ。
もしかしてバレてる?
バレてたら完全に刺されるパターンじゃん!!

頭ん中がパニック状態な俺を知ってか知らずか、右手を繋いできたまなちゃんに部屋へと誘導される。

どうやら刃物は持っていないようだ。と、ほっと胸を撫で下ろす。




「今日で三ヶ月だねー」




部屋に入ると、ピンクの丸いクッションに座らされた。




「……そのことなんだけど」




まなちゃんの目を見る勇気がなくて、俯き加減でボソボソと言う。

自分の声と一緒に、金属音が耳についた。

部屋に付いている鍵を施錠した音だと気が付いたのは、まなちゃんが扉の前に立って、後ろ手で何かをしていたから。




「…まなちゃん?」




「ねぇ、あの幼馴染みのことが好きなの?」




「…え?」




「最初から、あの子のことが好きだったんでしょ?」




「いや、違うから!俺はまなちゃんのことが…」




「嘘つき。影でコソコソして…私が知らないとでも思った?」




「…………ごめん…なさい」




ここは謝った方が賢明だ。穏便に、この場を逃れれば……

8→←6【12/18 更新】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (199 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
728人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:七子 | 作成日時:2017年12月17日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。