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あぁ、もう、イライラする。

自分が俺のことを遠ざけようとしたくせに、怯えたような目をするAに。

俺の方が傷付いたっていうのに、そんな目をされたら……





「怒ってる?」




はい。怒ってます。って言うと思う?言うわけねぇじゃん。バッカじゃねーの。





「……」





「離してよ、痛いよ」




Aの声にハッとして、怒りに任せて掴んでいた手を少しだけ弱めた。

周囲からしたら、手を繋いでいるようにでも見えるのかな。好奇の目がチラホラ。

…だからだろう、Aは俯いて目を固く閉じている。
それが、俺の全てを拒否してるみたい。胸が握りつぶされたようにぐしゃっとした。




「そんなに嫌?」





「えっ…?」





「俺と一緒にいるのが、そんなに嫌なの?」





「そうじゃないけど」





「嘘つけ。迷惑なんでしょ?」








自分で言って、悲しくなる。

俺、自分の気持ちに気がついて、一人で浮かれてた。Aは、俺のことを迷惑だって思ってたのに。ほんとにバカみたいだ。

俯いていたAは、顔を上げて俺の顔をマジマジと見つめてきた。

目が優しくて、なんだか堪らなくなってきて、泣きたいような感情に襲われる。

…昨日から心が忙しい。完全に情緒不安定だ。

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作者名:七子 | 作成日時:2017年12月17日 12時

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