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俺がヘラヘラしながら愛嬌振り向いているのには、ひとつ理由がある。
中学時代、極度の人見知りとめんどくさがり屋が手伝って、女子はA以外とそんなに話さなかった。
話しかけられても、うん、んーん、そうだね、別に、とかだけ。
玉森君って冷たくない?って影で言われてるのは知ってた。でも、だから?って感じ。
気にしないし、気にする必要も無いと思ってた。
だけど、違ってた。Aが被害を受けるなんて思ってもみなかったんだ。
ある日を境に、Aが二週間も学校に来なかったことがあった。
連絡しても何も返信はないし、担任に聞いても言葉は濁すし。Aのママから理由をゆるっと問いただした。
…一部の女子から嫌がらせを受けたせいみたい。
そう、気まずそうに言うママを見て、一瞬で俺絡みのことだって分かって。それはもうショックだった。
それからだ。学校でAが話し掛けるなオーラを出してきたし、俺もそれが良策だと思って、あまり話し掛けなくなった。
俺のせいでAが傷付く姿をもう見たくなかったから。それで、Aのことを守ってるつもりでいたんだと思う。
それと同時に、みんなに同じように対応すれば、こんなことになんなかったんじゃねーの?女の子の嫉妬ってこんなに恐いの?って思ったのが、ヘラヘラな俺の始まり。
みんなに愛嬌振りまいとけば、たまにAと話すくらいじゃ目立たないもんね。
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作者名:七子 | 作成日時:2017年12月17日 12時