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「じゃあ、お願いいっこ聞いて貰おうかな〜」
「えっ、なにそれ」
「裕太様の願いを叶えてくれたら、考えてやるよ」
どーーーーん!ってどやると、Aが怪訝な表情をつくった。
「…なんか、モヤモヤするんだけど」
「何が?教えてやんねーよ?」
こーやって大きく出ると、途端に弱くなることを知ってる。目がウサギみたいにうるっとしだして、おどおどするんだ。
改めて見ると、案外可愛い所ある。
「お…お願いってなに?」
「んふふ、考えとく。その時にみつの連絡先教えてやるよ」
「無理なものは無理だからね?」
「その時は、みつと一生会うことはないと思っとけば?」
「…意地悪。あんなに可愛かった裕太はどこ行っちゃったの」
あんなに可愛い裕太、っていつの俺のことを言ってんだろーか。
幼稚園?小学生?それとも、中学?
Aは全部知ってる。幼稚園の泣きべそも、小学生になってのお漏らしも、中学時代のひょろくて万年ベンチだった俺も。
ヤバいやつ全部知ってんのに、可愛いなんてよく言えたよな。
Aを見たら、下唇をむぅって出していじけてる。ははは、おもしろ。
「今も……3年の先輩たちに可愛い可愛いって愛でられてんだけど」
「可愛いって言われて嬉しいの?」
「キモイって言われるよりは、いいんじゃない?」
「…そりゃそうだけど」
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作者名:七子 | 作成日時:2017年12月17日 12時