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手は出せないけど、してくれる分には問題ないってさっき言ったけど、正にそれ。
幼い頃に感じたAへの淡い恋心を、今思い出した。
それと同時に、Aに触れられない理由は、みつとの約束のせいだったんだって解った。
三人でした約束は、Aが俺とみつ以外の男に心を許さないように。
俺とみつ二人で交わした約束は、三人でしたやつと大して変わんないけど、約束というよりもはや呪いだと思う。
自分がいない間に、俺とAが仲良くなりすぎないように。自分がいない隙に、俺とAがどうにかならないように。
みつの呪いのせいで、Aへの淡い思いに蓋をした。
他の女の子と一緒に居てドキドキして、柔らかさと甘さを知った。
そのうちに、Aじゃなくてもいいんだって思い始めてきて、すっかりAへの思いから遠のいていって、忘れてた。
みつの呪縛から逃れるには、自分でどうにかしなきゃいけないんだって、今更気がついた。
「……つーかさぁ。A泣いたのって、みつが転校した以来じゃね?」
「そうだっけ」
小三の約束、Aは忘れてるみたいだ。いいよな、忘れっぽい奴は。気楽でさー。
みつの話題を出したら、すぐにAが枕から顔を上げたのが、なんか複雑。
眉を下げながら頭を撫でたら、やめてよって腕を払われたから、余計に悲しくなる。
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作者名:七子 | 作成日時:2017年12月17日 12時