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「…なにして……」
言葉が出てこない。
現実に愕然として、何故か分からないけれど、涙が込み上げてくる。
「…Aちゃん」
渉君が裕太の胸元から手を下ろしたけど、裕太はそのまんまで振り向こうとしない。
「ごめんなさい…渉君、ごめん」
「なんでAちゃんが…」
恐る恐る二人に近づいて、渉君を見る。傷が痛々しい。
…これ、本当に裕太がやったの?あぁ、もう、怒りが込み上げてくる。
怒りに任せて、裕太の頭を思いっきりひっぱたいた。
「バカ裕太!」
「いって…」
「何言ってんの?!痛いのは渉君でしょ?!」
そう言いながら裕太の服を乱暴に引っ張って、渉君から引き離す。
と、目が合った。裕太の口からも血が出てる。え?
「俺も手出したから、お互い様」
渉君が手の甲で口元を拭いながら、気まずそうに言った。
「……なんでこんなことに」
遠くの方で、先生来たぞー!って声が聞こえてきて、ギャラリーがあっという間に散っていった。
裕太が私の手を取ると、私と自分のカバンを片手にさっさと教室から出ようとしたから、渉君に視線を投げかけた。
最後に苦々しく笑った渉君は、なんだか寂しそうに見えて。
やっぱり、私はとんでもないことをしでかしてたんだって思った。私と裕太のことで、渉君を巻き込んじゃいけなかったんだ。
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七子[ななこ](プロフ) - よしさん» よしさん!遅くなりました汗。すっごく中途半端なんですが、一旦終わりにしてみました〜(^ω^)千ちゃんの出番も考えてますよ!お楽しみにしていて下さい☆彡 (2017年12月24日 12時) (レス) id: 77f7625ffe (このIDを非表示/違反報告)
よし(プロフ) - 七子さん、二人のハッピーエンドがメチャメチャ嬉しい(*^^*)です。すごく幸せな気分。裕太目線での4章が安心して読めます。今までの気持ちの答え合わせしてるみたいでキュン。続きで甘々裕太も楽しみにしてます。千ちゃんの出番もあるかな? (2017年12月22日 23時) (レス) id: 78b351736a (このIDを非表示/違反報告)
七子[ななこ](プロフ) - よしさん» よしさん!ハッピーエンド、にしたいんですが千ちゃんが出てこれなくて……!どうしよう!と思いつつ、千ちゃん担当にはまたの機会に待ってもらおうかなぁとか考えたり笑。クリスマスにはいい感じになってるといいですねぇ(p_q)がんばります!ありがとうございました*゚ (2017年12月4日 10時) (レス) id: 77f7625ffe (このIDを非表示/違反報告)
よし(プロフ) - 玉ちゃん☆幼馴染みのお話が大好きです。もう、切なくて、もどかしくて…。早く二人のハッピーエンドがみたいなぁ。今年のクリスマスには幸せな気持ちになれるかな?これからも楽しみにしてます (2017年12月4日 0時) (レス) id: 78b351736a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:七子 | 作成日時:2017年12月3日 10時