今日、幼馴染みやめます 。【Yuta.T】

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なるべく、裕太と学校内では無関係で居たい。それは、中学で学んだ教訓だった。

あの子玉森君のなんなの？幼なじみ？は？なにそれ。あんた邪魔。消えて。

そんなんしょっちゅうで、嫌がらせやイジメに発展した時には、二週間くらい学校に行かずにベッドで生活してたっけ。

仲良くしていた友達が、玉森君に近付くために私と一緒に居ると人伝いに聞いたこともあった。はいはいそうですか、とか思うようにしたけど、すんごくショックを受けたんだよ。はい、人間不信。

だけど、イジメ？嫌がらせ？を受けて家に篭ってた時、迎えに来てくれたのが裕太だった。お母さんから全部聞いたらしく、かなり深刻な顔で、ごめん…って謝られたっけ。

そう、私、裕太に気がついて欲しかったんだよ。あんたがそんなに急にかっこよくなっちゃうから、こんなことになったんだからね。って心の中で責め立てた。

それからは、なるべく学校では話さないように気をつけてるみたいだったし、私も必要最低限は話さないことにした。言うなら、暗黙の了解だ。

もう、あんな思いをするのはごめんなんだけど！




「一体なんなの？やめてよ、注目浴びちゃったじゃん」




骨張った綺麗な掌に300円を握らせながら、じろりと睨みつけた。それに反して、可愛くにっこりされる。なにかを企んでるような、そんな笑顔。




「ありがとー。さすがAちゃん」




「やめてよ、気持ち悪い」




「俺にそんな事言うの、Aだけ。ぞくぞくするーぅ」




「バカじゃないの？」




「そだよ、俺はバカだよ。Aが一番良く知ってんじゃん！」




そう言って、あははははって豪快に笑う。こっちの笑顔の方が好きだな。さっきの可愛くにっこり、は作り物のような気がしてあんまり好きじゃない。

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