第２９３話「ピン」 ページ4
グラン「父さん…!?」
吉良「こんなことで許してもらおうなど思っていない
だが少しでも、お前達の気持ちが収まるのなら…さぁ打て!」
両手を広げ、待つ吉良
貴女「〜〜〜ｯ」
ウルビダと共に足を上げ、ボールを蹴りこもうとする
そう、このボールを蹴りこめばいいだけ
こんなに尽くしてきた私達の存在を否定した、この男に
蹴り込むだけでいい。
蹴り込む…だけ、なのに……
貴女/ウルビダ「「はぁああ!!!」」
円堂「A!!ウルビダｯ!」
直前になると私とウルビダはそのボールを蹴り込むことは出来ず
貴女「ｯ」
お互い涙を流しながらその場に座り込む
そんなこと言われたら…
ウルビダ「打てない……ｯ、打てるわけ、ない…!」
貴女「だってｯ、だってあなたは…っっ」
貴女/ウルビダ「「私にとっても、大切な父さんなんだぁｯ」」
ヒロトにとって、この人が大事な父さんであるように
私にとっても、あの日から
命を救ってもらった、居場所を与えてくれた
この人が、私の大事な父さんなんだ
ウルビダと私はそのまま子供のように涙を流す
貴女「このピンくれた時の事、覚えてますか…?」
吉良「そのピンは…」
ずっと何があっても髪につけていた赤いピンを、髪から外すと手に持って前に差し出す
このピンは
貴女「これは初めてお父様からもらった、大切なものですよ…ｯ」
私がお日様園に来て、初めてお父様に会ったときにもらったプレゼントだった
貴女「まだ孤児院に来て間もない頃、お父様はこのピンを私にくれた
これを私だと思ってつけていてって
一人が嫌いで怖かった私に、そうお父様は言ってこのピンをくれたｯ!
親に捨てられたばかりの私にとって、このピンはすごく心に響いて…
あれから私はこのピンをずっと髪の毛に着けるようにしてます
このピンがあると、すごく安心する
お父様がいつもそばにいてくれるような、そんな気持ちになる
寂しい気持ちが埋まるんです…!
このピンは私にとって、お守りのようなものなんです…ｯ
私だって貴方が施設に来る日が楽しみで仕方なかったｯ!
例え裏切られてもｯ、捨てられても!!!
貴方は私にとっても大事な父さんなんだよ…!」
だから
貴女「打てないよぉｯ」
どんなに恨もうと、憎もうと
吉良「A…ウルビダ…」
この人は大事な私の父さんなんだ＿＿＿＿＿＿。
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キリンロング - うわあああああああああ(泣)面白かったです！！私も徹夜で見ました！！ (2018年9月25日 0時) (
レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
倉狩莉緒菜(プロフ) - フォンさん» コメありがとうございます!!なんと徹夜で!?嬉しいです!!!ですがお体を壊さない出くださいね!? (2018年3月21日 16時) (レス) id: 6c269fd559 (このIDを非表示/違反報告)
フォン - めっちゃ面白かったです！徹夜してみてましたwww！！ (2018年3月21日 4時) (レス) id: a674275b02 (このIDを非表示/違反報告)
倉狩莉緒菜(プロフ) - 狂ったピエロさん» えぇええ！ありがとうございますぅうう！！！すごく嬉しいです！そんなに褒めてもらったの初めてなのでとても嬉しいです (2017年10月3日 17時) (レス) id: 6c269fd559 (このIDを非表示/違反報告)
狂ったピエロ - 語彙力が無いので最高としか言えませんがただひたすらに最高でした！ものすごくクオリティが高くて、丁寧に書かれているし小説書くのが上手なんですね！心理描写がとても綺麗で繊細なので読み応えもありました！ (2017年10月3日 14時) (レス) id: 77b8622472 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：倉狩莉緒菜 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/futere/
作成日時：2016年8月30日 1時
