悪役令嬢は破滅エンドを認めない 〜転生したら神のせいで悪役令嬢になっていた。私はヒロインを所望したはず！〜

「恋するオトメの魔法学園！」について〜9 ページ18

う〜む、どうしよ。柔術、柔術…ハッ！



私は一人、思い当たる人物を頭に浮かべ、両親に断りをいれると、直ぐに目的の人物がいるであろう場所へと急いだ。



そこは…我がアパレル邸の庭の一角。



“彼"は、そこで庭の木をボーッと見上げていた。

「ヴァン！」


「あれ、エミィ？」




ちょ、病み上がりなんだから走っちゃダメだよ！と、慌ててこちらに駆け寄ってきた彼にすがり付くように拝む体勢をとる。



「ヴァン、お願い！あなたのお稽古に私を入れさせてくれる？！」


「…え？」




ポカーンと口を開ける姿でも可愛らしい我が従兄弟に、私は土下座する勢いで頼み込んだ。




実は、ヴァンの家、エマニュエル伯爵家はこの国有数の騎士を輩出する名門家なのだ！



騎士、というと剣術のイメージが強いが、普通に剣術だけじゃなく武術もできなければならない。



そのため、エマニュエル家では、剣術は勿論のこと柔術や護身術等、武術も幼い頃から教え込む。



そして、ヴァンの現在の教師は、私のもう一人の従兄弟、エマニュエル家長女のケイトがしているはず。



ケイトは私より二歳上で今年小学部に入学したはずだが、今は冬休みで実家に帰省中なのだ。

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