285話 ページ39
「ラングさんの死.因はなんですか」
上杉が聞くと、ミシアは少し深刻な顔つきになった。
「病気よ。でも本当は殺.されたの…多分」
その時、大きな音が辺りに響き渡った。
掠れた笛のような音だった。
窓から外を見ると、山の中腹を汽車が走っていくところだった。
真っ黒な車体に赤い線が引いてあって、斜体で飾り文字が書かれている。
「あれがシンデレラ特急」
ミシアが言った。
「ラングは汽車に乗っている私を描くつもりで、昔ヨーロッパを走っていたっていう古い蒸気機関車を買ったのよ。
でも私がすっかり気にいって、敷地内を走らせたいってラングに頼んだの。
それで外部を塗りかえて内部も改造して、動力は電気にしたわ。
蒸気を吐いたり汽笛を鳴らしたりするのはただの飾りよ。
実際動かしてみたらすごく便利だったのでよく使うようになって、そのうちに周辺に住んでいる人達にも使ってもらえるように市役所と交渉して線路を延ばしたの。
皆がシンデレラ特急って呼ぶようになって、今ではすっかりその名前で通っているわ。
ラングはね、そこから落ちたのよ。
先週ラングに食事に誘われて、一緒に街まで出かけることになって、シンデレラ特急に乗ったの。
そこにカナールがやってきて、自分も用事で出かけるからって乗りこんできたのよ。
まだ街まで出ていかないうちにカナールが、ラングと2人きりで話があるからと言いだして、ラングを連れて出ていった。
私は座席で待っていたわ。
そしたら暫くして呻き声が聞こえてきて。
ふと見たらラングが窓の外を落ちていくところだったの。
すっごくショックだった。
すぐ救急車に連絡して病院に運んだんだけど、意識不明のまま3日後に亡.くなったの。
警察が来て私やカナールに事情聴取をしたわ。
でも結局事件性はないってことになったの。
病院で検査をしたら死因は心臓発作だったのよ。
ラングは心臓が悪かったの。
カナールの話では一緒に汽車の連結部分を歩いている時、ラングが発作を起こしたからその場に横たえて、医者に連絡しようとしていたら、間もなく列車がカーブにさしかかって振り落とされたって。
カナールの他には目撃者がいなくて、彼の話が採用されたの」
なかなかに疑問点、というか穴だらけの話だな。
上杉が呟く。
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きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます！次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします！ (2019年12月6日 7時) (
レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません！繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます！駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください！ (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます！ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2019年11月30日 15時
