284話 ページ38
「私の養父の画家ラングの遺産よ。
先週、亡.くなったの。
世間にはまだ公表してないわ。
死.亡届けもこれから出すところ。
届けを出してしまうと、すぐ新聞記者がかぎつけてきてニュースにされるから。
内々のお葬式が終わって落ちついてから、届けを出すと同時に記者を集めて発表しようと思っているの。
でも街に出ると跡をつけられているような感じがするし、うちにいても誰かに見られているような気がして恐くて。
今日みたいに直接人がおそってきたのは初めてだけど。
できるだけ外出しないようにしようと思ってたのよ。
でもお葬式の日が決まったから、喪服を作らなくちゃならなくて」
ということは、ラングさんのことは身内以外は知ることができないのか…。
「ご事情はよくわかりました。じゃ、僕たちが守ってあげましょうか」
若武君はせっかく見つけたこの事件を逃すまいとして、熱をこめて言った。
「僕達は探偵チームを組んでいるんです。凄く有能なんですよ」
ミシアはじっと若武君を見た。
子どもに頼んで大丈夫かしらと思っているようだった。
このまま断ってほしいけど…。
「あなたを狙っている奴を見つけて退治しますよ。任せてください」
若武君はすっかり一流の探偵気取りだ。
「心当たりはあるんですか」
ミシアは頷いた。
「画家ラングの甥のカナールよ。カナールはラングののただ1人の肉親で、今一緒に住んでいるの。本当なら遺産はカナールに行く予定だったんです。でもラングが私を養女にしたので、遺産は私がもらうことになったわけ。それでカナールは私を恨んでいるのよ。きっとカナールが企んでいるんだわ。私を追いつめてノイローゼにして、遺産相続ができないようにするつもりなのよ」
確かにその可能性は高い。
これが簡単な遺産相続の話に収まるものなら。
「画家ラングさんは幻の画家と呼ばれていたようですが、何故ですか」
若武君の問いにミシアはクスッと笑った。
「それは人前に出ることが嫌いで、ほとんど外に出なかったからなの。写真も撮らせなかったしね。まぁちょっと変わっていたのよ。芸術家には時々そういう人がいるものよ。でも優しい養父で、私は大好きだったわ。一度も怒られたことがないもの。甥のカナールにはよく怒鳴っていたけれど。カナールは遺産を当てにして遊び歩くような人だったから」
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きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます！次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします！ (2019年12月6日 7時) (
レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません！繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます！駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください！ (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます！ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2019年11月30日 15時
