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258話黒木side ページ12

「行くぞ」

俺が一番に下り、上杉はまだ吉野を信用していないらしく先に行かせその後にアーヤが続いた。

壁を触ってあることに気がつく。

「ここって全体が防音になってるな。これじゃ、いくら大声を出しても外には聞こえない」

桜田も助けを求めて叫んでいたのかもしれない。

そう思うと胸が締め付けられる。

そんなことを考えていると、もう少しで天井に頭をぶつけるところだった。

「最後の段は天井が低いぞ。頭に気をつけろ」

階段を下りたところに廊下があり、その突き当たりにドアがあった。

「あそこだな」

気持ちが急いて大きなストライドで歩みより、ノブをつ。掴んで回す

カチッと固い音がした。

片手を出しながら上杉を振り返る。

「万能キーオープン」

上杉がズボンの後ろポケットからそれを取り出し俺の手にのせた。

それを使ってカギを開ける。

「オッケ」

今度は簡単にノブが回りドアが開く。

「え!」

後ろでアーヤが声をもらす。

仕方ない、中は予想に反して綺麗な部屋だったのだ。

緑色で艶のある布のが壁に張り詰められており、所々に楕円形の鏡が飾られている。

絨毯も緑色で毛足が長い。

そして部屋の中央に大きなベッドがあった。

枕元にはサイドテーブルがあり、その上に豪華な食事がのっている。

まるで王族の寝室のようだ。

「想定外だな」

つい呆気に取られたように言いながら部屋の中に踏みこむ。

ベッドには1人の男が眠っていた。

頭に包帯を巻いて清潔そうなパジャマを着ている。

顔色はとてもよかった。

「山本…」

吉野がそう言って枕元にしゃがみこむ。

「ほんとに無事だったんだな。よかった」

部屋の奥にドアがあったので中に入る。

後ろにアーヤと上杉も続いた。

そこはキッチンになっていてガスレンジや流し台、調理台が並び、オーブンや電子レンジが置かれている。

どれもピカピカに磨かれ、床も綺麗に掃除がされていて清潔だ。

冷蔵庫を開けると、たくさんの食材がつめこまれている。

食器棚にはカップやお皿が並んでいて、どれも2人分だった。

しかしその傍のテーブルの上に、花柄の食器セットが置かれていた。

改めてキッチンを見回すと、奥にもう一つドアを見つけた。

開けようとすると、ここもカギが閉まっている。

万能キーオープンで開けることすらもどかしい。

開いた感触と共に素早くドアを開ける。

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きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます!次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします! (2019年12月6日 7時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません!繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます!駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください! (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます!ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きょっちー | 作成日時:2019年11月30日 15時

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