264話途中まで黒木side ページ18
小梅さんはサッと頬を赤らめた。
「あら、マダムなんて呼ばれるのは夫が若かった時以来のことよ」
そう言いながら俺の腕に片手をかけた。
2人で玄関を出て門に向かって歩く。
「私の夫は緑色が好きだったのよ。だから桜も緑がいいって言ってね、原種を取りよせたの。綺麗でしょう」
この桜達は、小梅さん達の人生を見守ってきたんだな。
「ねえ、あなたってもしかして黒木くん？」
「ええ、そうですよ。なぜわかったのですか？」
「あの子から聞いたのよ。うっすらと意識があるときにね、私の仲間に黒木という男の子がいるの。彼があなたを救ってくれる。私も彼に救われたから、って。本当にその通りだったわ」
桜田がそんなことを…。
小梅さんと若武はそのままパトカーで警察署に、桜田は別のパトカーで病院に運ばれた。
※※※
ASIDE
あの事件から数日、若武君も大事にはならず、私も一日だけ入院するだけで済んだ。
今日は黒木君を呼び出し、南町公園の散歩道を二人で歩いている。
「今日呼び出したってことは、小梅さんと何があったか聞いていいってことだよね」
『ええ、どうせなら桜でも見ながらと思って。やっぱりピンクの桜の方がしっくり来るわね』
満開の桜を共に見上げながら、黒木君は話し始めた。
「俺の予想だけど、桜田が小梅さんの所に行ったのは自首を勧める為でしょ。桜田なら早くに真相に辿り着けただろうし。ただ、小梅さんがおそってくるのもわかったはず。何で抵抗しなかったの？」
『最初はしようとしたのよ。でもそれで小梅さんを傷付けてはあなたが悲しむと思ったら、体が動かなくなってしまったの。小梅さんに自首を勧めたのもそう。真相に辿り着いた時のことを考えたら、そうなる前に終わらせたかったのよ』
黒木君がこちらを見ながら少し悲しそうに言った。
「桜田がケガをしたら、もっと悲しむとは思わなかったのか？」
『ええ、思えなかった。でも私が考えてた以上にあなたの中では私の存在が大きくなっていたのね』
私は小さく深呼吸をした。
初めてのことだから少し緊張している。
声が震えないよう、言った。
『好きな人に想ってもらえるって、こんなに幸せなのね』
意味を理解した黒木君が勢いよくこちらを向いた。
『好きよ。仲間として、友人として…一人の男性として。そんな人に悲しい顔をさせたくなくて頑張ったけど、裏目に出ちゃったわね』
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きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます！次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします！ (2019年12月6日 7時) (
レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません！繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます！駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください！ (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます！ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2019年11月30日 15時
