261話黒木side ページ15
「とにかくケガ人だけ避難させておいて、あとは穏やかにいくしかないな。何しろ相手はご老人だ」
上杉が不満そうに、桜田の部屋の方に目を向けた。
「こんだけ凶暴でも保護かよ」
俺は腕を伸ばして上杉の肩を抱いた。
「いずれお前だって年を取る。その時は保護してもらえるさ。お互い様だよ。それに、あの人を責めないでとお姫様からのお願いだ」
上杉は納得できないといったように食い下がった。
「責任問題はどうなるんだ」
「人格障害に責任を問えるかどうかは難しい問題だ。弁護士次第って感じかな。法的なことは若武先生に聞いてくれよ」
そう言いながら小塚に目を向ける。
「小塚、警察に電話して傷害事件だって言ってくれ。サイレンは消してきてほしいと伝えるのを忘れるな」
山本が慌てたような声を上げた。
「警察は困る。俺達のやったことがバレるじゃないか」
吉野も焦ったようだった。
「さっきの約束はどうなる。本当のことを話したら通報しないって言ったじゃないか」
「通報しないとは言ってないよ。考え直すって言っただけだ。考え直した結果、やはり通報した方がいいって思ったわけ」
2人は口々に叫んだ。
「汚ねぇぞ」
「騙しやがったな」
俺を睨みつけてくる。
こいつらは本当にわかってないな。
「へぇ、いい態度だよね。自分達のやったことが消せるとでも思ってるわけ？甘いよ。あの火炎ビンだけでも、発見がもうちょっと遅かったらバックドラフトを起こして家中に燃え広がるところだったんだ。ちょっと脅すつもりであんなことをやるなんて、加減ってものがてんでわかってないね。子ども並の神経だよ。その調子でこれから生きていったら今に大事故を起こすに決まってる。ここらで一度痛い目に遭って、精神を叩き直した方が自分の為だと思うけど」
2人は言葉につまり、ただただ悔しそうに叫んだ。
「俺達は帰る。止めてもムダだからな」
「どうぞ。あとで警察が行ったら対応をよろしく」
2人は苦々しげに俺を睨んで、階段を上っていった。
「俺達も上に行こう」
上杉の言葉に、改めて桜田の部屋に向かう。
カーテンを開くとかなり眠そうだが、灰色の瞳が覗いていた。
『あの男は…？』
「行ったよ。俺達も行こう」
立てそうにない桜田を横抱きにする。
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きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます！次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします！ (2019年12月6日 7時) (
レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません！繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます！駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください！ (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます！ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2019年11月30日 15時
