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41話 ページ43

そして盗聴や証拠偽装、不法侵入について怒られている時、その警部の顔を見て私は歩み寄った。

『お久しぶりです。警部さん、私のこと覚えてますか?』

警部さんは私の顔を見て、少し考えてにっこりと笑った。

「Aちゃんか!?大きくなったね!お父さんはお元気か?」

『はい、元気だと聞いていますよ。今回のことは私も少し関係あるんです。なので私も事情聴取に協力します』

「助かるよ。じゃあ、二人ともパトカーに乗って」

そう言われて、若武君と私はパトカーに乗った。

「お前、あの人と知り合いなのか?」

『私の父が元警察官なの。その繋がりよ』

若武君は興味をなくしたように外を眺めていた。

※※※

次の日、秀明の出入り口の伝言板に、若武君の字でこう書かれていた。

[メンバーは、授業終了後、特別クラスに集合のこと。 若武]

特別クラスに入ってすぐ最後の立花さんがやってきた。

「揃ったな」

そう言って若武くんが立ち上がり、いつものように両手をハーフパンツのポケットに突っ込みながら得意そうに切りだした。

「今回の事件は、俺達に色々な教訓を残してくれた。自分達の思いもかけない能力に気づいたこともその一つだ。それで、これからはこういった方向でバイトをするってのはどうだい?つまり、皆から事件を持ちこんでもらって相談にのるんだ。相談料を取ってさ。リサーチ事務所だ。カッコもいいし。やろうぜ」

上杉君が眼鏡の向こうで、目を光らせた。

「相談料の取り分は?」

若武君がすかさず答えた。

「いい質問だ。部下の諸君が15%ずつ。リーダーのオレが25%だ。妥当なセンだろ」

黒木君が溜息をついて言った。

「その25%をお前どうするつもり?」

若武君はニヤリと笑った。

「決まってるじゃないか。新しいチャリを買うんだ。俺、すげえ怒られたあげくに小遣い停止なんだぜ。悲惨だよ。ここでリサーチのバイトを始めれば金も入るし、そのうちにでかい事件に出くわせば、今度こそテレビにも出られるだろうしさ。一石二鳥だ!」

小塚君が呆れたといったような表情でボヤいた。

「若武の友だちでいるって、ほんと疲れる…」

立花さんは笑って口を開いた。

「でも面白いかもしれないじゃない。やってみてもいいと思うな」

皆も笑って、やることに決まったらしい。

『そういえば若武君』

「なんだよ、桜田」

『あなた、最初私に私が本気を出せるものが見つかるかもって言ったわよね。特にその何かを見つけられなかったのだけど?』

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百合香(プロフ) - 夢主ちゃんのキャラがすごくよく、本当に原作のような話の進み方が好きです!勉強になります……。これからも、応援してます! (2022年5月29日 16時) (レス) @page3 id: 26b82cca33 (このIDを非表示/違反報告)
トメ - きょっちーさん、はじめまして!トメと申します。きょっちーさんに感想を送るためにアカ作りました笑このシリーズがとても好きで感想を送りたいと思っているうちにしばらく浮上されなくなってしまったので、再開してくださってとっても嬉しいです!続き楽しみにしてます! (2022年4月16日 13時) (レス) @page47 id: 702d0afd33 (このIDを非表示/違反報告)
ありしゅ(プロフ) - きょっちーさん、おひさしぶりです!もう浮上されないのかと思っていたのでとても嬉しいです!今までの書き方もよかったですが、今の書き方もいいですね!無理せず頑張ってください! (2022年4月7日 16時) (レス) id: bde42b2272 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - Reiさん» コメントありがとうございます!「おもしろい」と言ってもらえるのはとても嬉しいです。これからも読んで下さいね (2019年7月21日 13時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
Rei - とてもおもしろいです。読むのが楽しみになっています! (2019年7月20日 14時) (レス) id: 6035a3040f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きょっちー | 作成日時:2019年7月11日 19時

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