30話 和典SIDE ページ32
若武の自転車が見つかった次の日、俺は新田町ビバリーヒルズで桜田と立花を待っていた。
集合時間は昨日伝えたから、立花も知っているがあんなことがあったんじゃ、きっと来ないだろう。
『お待たせ』
時間五分前に桜田が来た。
そのまま、何か喋ることもなく集合時間から10分過ぎてしまった。
「立花は来ないんだろう。そろそろ行こう」
『分かったわ』
ビバリーヒルズの中を一応車庫を確認しながら進むと、前方に太ったオバさんが3人集まって話していた。
うげ、俺ああいうタイプ、マジで無理。
桜田は、思わず顔をしかめた俺を見て、
『私が行ってくるわ。上杉君はこの周辺の車庫を覗いてみてくれる?』
そう言って、オバさんたちに一人で突っ込んでいった。
…マジで尊敬するわ…、俺は絶対イヤだ。
周りの車庫を覗き、目的の車が無かったので桜田のもとに戻った。
「車庫の中に、目的の車は無かった。そっちはどうだった?」
『26番5号の家の車が、緑の外車だそうよ。両親に大学生の息子が一人。噂じゃ、父親が一月から大阪に転勤になっていて、母親もついていって、今いるのは息子だけだって』
…こいつ、それだけの情報をこの一瞬で?
「いったい、どうやって聞きだしたんだよ」
『ああいうオバさまは、少し持ち上げれば簡単よ。自分の生活を自慢したくてたまらないし、他人のゴシップが大好物。ちなみにその息子は、暗そうであまりいい評判は聞かないそうよ』
やっぱり、こいつは黒木に似ている。
…こんな奴が若武の術に掛かるのか?
また前を向いて歩き出している桜田に、後ろから話しかけた。
「なあ、お前って何で一緒に調査してるんだ?若武に乗せられた訳じゃないだろ?」
桜田は、少し考えてこちらをふり向いた。
『私の意志よ。少し面白そうでもあったし、あなたたちに興味がある。若武くんとか、特にね。それと…私が息をするため…かしらね』
そう言った桜田の顔は夕日の逆光になっていて、よく見えなかった。
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百合香(プロフ) - 夢主ちゃんのキャラがすごくよく、本当に原作のような話の進み方が好きです!勉強になります……。これからも、応援してます! (2022年5月29日 16時) (レス) @page3 id: 26b82cca33 (このIDを非表示/違反報告)
トメ - きょっちーさん、はじめまして!トメと申します。きょっちーさんに感想を送るためにアカ作りました笑このシリーズがとても好きで感想を送りたいと思っているうちにしばらく浮上されなくなってしまったので、再開してくださってとっても嬉しいです!続き楽しみにしてます! (2022年4月16日 13時) (レス) @page47 id: 702d0afd33 (このIDを非表示/違反報告)
ありしゅ(プロフ) - きょっちーさん、おひさしぶりです!もう浮上されないのかと思っていたのでとても嬉しいです!今までの書き方もよかったですが、今の書き方もいいですね!無理せず頑張ってください! (2022年4月7日 16時) (レス) id: bde42b2272 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - Reiさん» コメントありがとうございます!「おもしろい」と言ってもらえるのはとても嬉しいです。これからも読んで下さいね (2019年7月21日 13時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
Rei - とてもおもしろいです。読むのが楽しみになっています! (2019年7月20日 14時) (レス) id: 6035a3040f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょっちー | 作成日時:2019年7月11日 19時