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29話 ページ31

「俺の勉強時間を必ず確保するって約束するんなら、考えてもいいけど」

「もちろん約束するさ。昨日だって、ちゃんと守っただろ」

『私も付き合うわ』

止めても無駄だろうし、それなら最初からついておく方が得策だわ。

若武くんは機嫌よく頷いて、私達を見回した。

「反対者は?」

立花さんは、反対のようでじっとしていた。

そんな立花さんに、若武君がふっと目をとめて言った。

「立花、嫌なのか?何でだよ」

若武君の声は不満そうだった。

3人もじっと立花さんを見た。

「若武、可哀そうだよ」

初めにそう言い出したのは小塚君だった。

続いて黒木君が言った。

「立花は女の子なんだから、俺達と一緒にやれないことだってあるさ」

そう、立花さんは女の子。

私とは違うごく普通の。

上杉君が言った。

「立花がどうするかは立花の自由だ。若武、責めるなよ。立花のことは、立花に任せるんだ」

立花さんは顔を上げ、若武君は不機嫌そうに顔を背け、少し乱暴に言った。

「だから女って、やだよな」

「バカやろう、若武。言うなって言ったろ」

黒木君が若武君の頭を小突き、若武くんがその手を掴み上げた。

「何だよ」

「やるのか」

瞬間、ピピっと高い音がし始めて、上杉君が言った。

「時間だ。秀明に行こう。とりあえずチャリは、ここに預かってもらえよ。大事な証拠だからな」

※※※

私は秀明の授業中、さっきのことを考えていた。

あれは若武君と立花さん、互いが悪かったと思う。

若武君は、きっと圧倒的に言葉が足りていなかったのだろう。

それに、一時の感情に任せてものを言っていた。

若武君の方は、きっと頭が冷えればそれで済むだろう。

私が最も問題だと思っているのは立花さんだ。

立花さんはきっと皆に、一緒にやろうとか、庇ってやると言ってほしかったのだろう。

もちろん仲間同士、お互いを守り合うのはとても大事なことだと思う。

ただ立花さんの考えでは、皆に守られているだけになるのではないか。

あの子はまだ本当の仲間の意味を分かってない。

本当に【女の子】。

私はあの子が苦手だ。

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百合香(プロフ) - 夢主ちゃんのキャラがすごくよく、本当に原作のような話の進み方が好きです!勉強になります……。これからも、応援してます! (2022年5月29日 16時) (レス) @page3 id: 26b82cca33 (このIDを非表示/違反報告)
トメ - きょっちーさん、はじめまして!トメと申します。きょっちーさんに感想を送るためにアカ作りました笑このシリーズがとても好きで感想を送りたいと思っているうちにしばらく浮上されなくなってしまったので、再開してくださってとっても嬉しいです!続き楽しみにしてます! (2022年4月16日 13時) (レス) @page47 id: 702d0afd33 (このIDを非表示/違反報告)
ありしゅ(プロフ) - きょっちーさん、おひさしぶりです!もう浮上されないのかと思っていたのでとても嬉しいです!今までの書き方もよかったですが、今の書き方もいいですね!無理せず頑張ってください! (2022年4月7日 16時) (レス) id: bde42b2272 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - Reiさん» コメントありがとうございます!「おもしろい」と言ってもらえるのはとても嬉しいです。これからも読んで下さいね (2019年7月21日 13時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
Rei - とてもおもしろいです。読むのが楽しみになっています! (2019年7月20日 14時) (レス) id: 6035a3040f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きょっちー | 作成日時:2019年7月11日 19時

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