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25話 ページ27

ブーブー言いながら鶴丸さんは厨房の隅の椅子に座り、 すぐに私も戦力外通告をされ
その隣に座ることになる。
手際よく野菜や肉を切っていく2振りを
感心して見つめた。
やはり手慣れているのだろう。
すぐにいい香りがしてくる。この本丸に来てから毎日見たことのない料理が出てくるから
とても気になってしまった。
ただし、あの納豆というものは論外だ。もう二度と食べない。

あ、ところで お礼を言うの今じゃないか?
随分と遅れたが、言わないよりもマシだ。
一言、一言、ありがとうだ。
いや、「この前はすみません。ありがとうございます。」だ。

よし、言うぞ。今、今、こそ言うぞ!

「……あ、あの」
「君は女子だろう? 料理が出来ないのかい?」
「へっ?」
急に話を隣から振られ 素っ頓狂な声が出てしまった。
目を点にして鶴丸さんを見つめる。

「君は料理ができないのか?」
もう一度繰り返された。
出鼻をくじかれた私はトホホと質問に答える。

「日本料理は初めてですので。」
「はぁ、言い訳は見苦しいぞ」
ピキッと口元がひきつった。

なんだ、コイツは‥

頭にきたが、ここでカッとなったら思うツボと自分をたしなめ
ふぅと息を吐いて怒りを鎮めた。

「‥ 貴方は私よりも早くこの本丸にいるというのに 料理が出来ないのですね」
「それは違うぞ。 俺は料理にも驚きを求めているだけさ」
「はは、言い訳は見苦しいわ」

コーンと戦闘開始のコングがなった音がした。

「本当に君は可愛くないなぁ!」
「可愛くなくて結構。そちらこそ 女に対する接し方に問題があると思うけれど」
「女の様に扱われるのは嫌そうに見えたが?」
「それはそれ、これはこれよ」
「都合が良すぎないかい?そもそも、出陣で何度も俺が助けたのに感謝の1つも無いとは‥」
「っ!それは今っ… いえ…
慣れていなかったのだから仕方がないでしょう!恩着せがましい、ねちっこい男!」

なっ 、と鶴丸さんが口を開いた時堀川さんが間に入る

「ストップ! もう、鶴丸さんは新しいお皿出して下さい!」
「あんたら、なんで言い合いしてんだよ‥」

呆れ顔の2人の様子から 料理が完成した事を理解する。
バチンと彼と視線が合ったがフンと、横を向いた。
あぁ、言えなかった。私が悪いのだが…どうも上手く行かない。
がっくりと肩を落とした。

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杏子メロンパン(プロフ) - ありがとうございます。そう言って貰えてとても嬉しいです。 (2019年6月22日 19時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
永遠の0 - やべぇ・・・・・・やべぇ←私の好みにドンピシャだぜぇ・・・・・!(*´∇`*)更新ファイト!(*≧∀≦*) (2019年6月22日 18時) (レス) id: bc7da5b929 (このIDを非表示/違反報告)
アズマ - この物語の少しシリアスな感じが好きです!これから影ながら応援させていただきます! (2019年6月22日 15時) (レス) id: 13ba803884 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - そらまるさん» コメントありがとうございます。励みになります。 (2019年6月22日 5時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
そらまる(プロフ) - 面白いです(^^)更新楽しみにしています(^^) (2019年6月22日 1時) (レス) id: 01606349cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杏子メロンパン | 作成日時:2019年6月20日 18時

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