9話 ページ11
「ここに女は私と貴女だけですから、何か困ったことがあったらいつでも言ってね。」
にっこり笑って主様は近侍の一期一振さんと大広間を退出していった。
なんだろう、凄くドッと疲れてしまった。
早く部屋に戻ろう。
私も、食べ終わったので食器を片付けようと思った時 ふと背筋が凍るような
冷たさを感じる。
その時、誰も話さず視線を自分に向けている事に気がついた。
な、何これ… もしかして新米は最後とかいうルールでもあるのか？
この場の異様な空気を感じ
凍ったように身体が動かなかった。
もちろん、全員の視線が冷たいわけではない。乱さんと秋田さんはこの雰囲気を感じ取ったのかキョロキョロと周りを見回している。
ただ、 どこか警戒しているような
これは 昔感じた裏切り者を探すときのような疑いの目だ。
口を開いたのは鶴丸さんだった
「そういえば、勢いでサポート係を立候補してしまったが、俺は鶴丸国永 平安時代に打たれた刀だ。 ぜひ、君の事を教えてくれると助かるんだが」
「私のことですか？」
彼の顔は穏やかだが、どうも裏がありそうでならなかった。 はっきり言って、自己紹介をするような雰囲気ではないのだ。
私のライフはゼロに近いんですけど。
「そうさ、君は俺たちとは遠く離れた場所に居たんだから気になるのさ」
私は上げかけた腰を下ろして持っていた食器から手を離した。
「私は 神話に出てくるドワーフ‥いえ、妖精に打たれたとされる刀です。数々の王族へ引き継がれてきました。」
どうしようか、これくらいしか言うことが無い。
妖精という言葉に反応したのは秋田さんと乱さんだけだった。
「よ、妖精ですか？ 絵本とかによく出てくる羽の生えた⁉」
「は、はい。 諸説では‥そのように」
答えると凄い凄いと2振りで騒ぎ出した。
しかし、そのほか全く話さない。
その2振りだけ 浮いているのだ。
た、助けて‥。これが新米の儀式とかなの？
それとも素性調査？ なんか疑われてんの？
あ、お腹が痛くなってきた、それに目眩も。
「それは驚きだなぁ。 して、どんな妖精なんだい？」
その言葉に私はピシリと石のように固まった。
騒ぐ短刀の声が遠くに感じる。
こう 頭から冷水を浴びせられたような、
敵に周囲を囲まれたような、 そんな危機感を覚えた。
背中に冷たい汗が伝う。
「どうして、そのようなことを？」
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杏子メロンパン(プロフ) - ありがとうございます。そう言って貰えてとても嬉しいです。 (2019年6月22日 19時) (
レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
永遠の0 - やべぇ・・・・・・やべぇ←私の好みにドンピシャだぜぇ・・・・・！(*´∇｀*)更新ファイト！(*≧∀≦*) (2019年6月22日 18時) (レス) id: bc7da5b929 (このIDを非表示/違反報告)
アズマ - この物語の少しシリアスな感じが好きです！これから影ながら応援させていただきます！ (2019年6月22日 15時) (レス) id: 13ba803884 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - そらまるさん» コメントありがとうございます。励みになります。 (2019年6月22日 5時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
そらまる(プロフ) - 面白いです(^^)更新楽しみにしています(^^) (2019年6月22日 1時) (レス) id: 01606349cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏子メロンパン | 作成日時：2019年6月20日 18時
