26話 ページ26
私は 、はい。と返事をして押入れの戸を開ける。
「どうかしましたか?」
「…えっと…。色々あってね、鶴さんに君の護衛を頼まれたんだ。」
「…は?」
思いもよらない言葉に思わず声が出る。
…護衛?どういうことだ。
首を傾げる私に燭台切さんは真剣な表情で
説明し始めた。
「実は… ある一部の仲間達が君を審神者に差し出そうって言い出したんだ。」
「……そ、うですか。」
言葉に間が空いたが、そこまで恐怖は抱かない。
この本丸に来てからしばらく経つが、まだ顔を合わせていない刀剣もいる。
でも、彼等も私がここに来たことは知っているだろう。
今日の出陣で重傷を負った刀剣も多い。
それにも関わらず審神者は手入れをしなかった。そういう考えに至る刀がいても仕方がない。
まぁ、私にはどちらでも構わない話である。
どちらにせよ、やることは変わらない。
「…出陣後に差し出せば、隠したことはバレないって…」
燭台切さんは申し訳なさそうに呟いた。
「成る程。 それで、護衛とは?
…あぁ、私が逃げないように 監視ということですか?」
「違うよ。 僕と鶴さん、あと一期君がそれに反対して… 」
「…? え、い、一期さんもですか?」
予想外の名前に目見開いた。
私は彼が一番にその考えに行き着くだろうと勝手に思っていたのだ。
少なくとも、賛同するだろうと…。
まさか、反対するなんて。
「鶴さんと一期君は今も出陣だから、
もしもの時、守れるよう僕がここに来たんだ。」
「… あ、ありがとうございます。」
私は慌てて頭を下げてお礼を言った。
燭台切さんは畳の上に腰を下ろす。
私も彼の前に正座した。
特に話すこともないため沈黙が続いたが
それを壊したのは燭台切さんの方からだった。
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サザンカ - 凄く面白かったです!!!!!つい見入ってしまいました。続編などがあるのでしたら楽しみにしています! (2019年10月11日 19時) (レス) id: 381a12205a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏子メロンパン | 作成日時:2019年6月8日 18時