第十四夜 ページ14
「あぁ、、分かった。頼む」
ジェニはその言葉を耳にした途端、パッと口角を上げる。
その変わりように今度はジャミルが自分の口の端が引き攣るのを感じた。
まんまと転がされた気しかしないが、結果的には自分の負担が少し軽くなっている。
なんだか、拍子抜けというか、複雑な気分だった。
一方は笑い、もう一方は苦笑い。
その姿は完全に母の尻に敷かれた父の姿と同じであったが、それを指摘するものはこの場にはいない。
ジェニはジャミルの言葉が本心から出た言葉ではないことは分かっていた。
身分も異なり、互いに余計な詮索や干渉は一切しない。
傍から見ればドライともいえる関係ではあるが、薄っぺらい言葉を正面から受け取って仲違いに発展する程、浅い付き合いはしていなかった。
この場がアジーム家であったならハラハラと涙でも零しながら説得しただろう。それが通じなければ大人しく引き下がったかもしれない。
しかし、ここは学校。
ジェニは半ば強引な手を使ってでも拗らせそうなジャミルを何とかしたかった。
たとえ、それがもう手遅れであったとしても、
あのカリム・アルアジームという人間に良くも悪くも影響を与えることが出来るのはジャミルだけだとジェニは思っていたからだ。
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れたら - すごく面白いです!更新待ってます! (2022年3月31日 18時) (レス) @page50 id: 3a8e68ec4e (このIDを非表示/違反報告)
カエラ - 他ルート有りの小説はどちらが落ちでも平気なように平坦になるからか、基本面白くなくなるものが多い気がするので私は反対です…すみません。ただ作者様の繊細な文章はとても素敵なので、ルートが増えたとしても応援します! (2021年12月24日 11時) (レス) @page39 id: df706ff24c (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - 失礼致します。私もフロイドルートを読んでみたいです…!希望者が多ければとのことでしたので、是非その1人に加えて下さると嬉しいです(*^^*) (2021年12月24日 1時) (レス) id: 01923abc00 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - あまりの物語の良さに前作から一気読みしてしまいました…!更新ペースを知らないので、通常通りでしたら申し訳ありませんが、よかったら続きを書いていただきたいです。素敵な作品を生み出してくださってありがとうございます!! (2021年10月20日 4時) (レス) @page37 id: e1eef10c3b (このIDを非表示/違反報告)
エビフライ - キャラの特徴をよく掴んでいて、とても面白いです。今作はフロイド落ちではないとありましたが、そっちのルートも書いてもらえたりしませんか、、? (2021年8月23日 16時) (レス) id: ebe748972d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏子メロンパン | 作成日時:2021年7月27日 17時