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第一話 ページ4

幽霊と会話する際には気を付けなければならないことがある。
それは、無闇に人間であったころの記憶を呼び起こしていけないということだ。
死んだという認識はあっても正確な死因は記憶から曖昧にされていることが多い。
もしうっかり名前はなんですか?とか、どうして死んだんですか?とか聞いてしまい記憶を取り戻すと、悪いモノになってしまう可能性が高いのだ。
私は見える分、あっちの世界に近い位置にいると侍さんも言っていた。
記憶の扉はいつ開くか分からない。何気ない瞬間に扉は叩かれる。
幽霊といえど命の恩人でもあり大変世話になった人だから、なんとか悪いモノになることだけは防ぎたい。だから、いつも私は細心の注意を払って侍さんと会話していた。


最終選別は難なく突破できた。そりゃあ、あの侍さんの動きをずっと見ていれば弱い鬼の動きなんてスローに見える。
それに、まぁ、なんていうか、恐らく過去の選別で落ちた人達だろうが、応援が半端なかった。右だ!上だ!左だ!回れ、そこだ、そこを狙え!とか言われた時は怒鳴りそうになったが、短気は損気だとなんとか耐えた。
でも、鬼を倒すことで成仏していく彼等を見るのは悪い気はしなかったのでまぁ‥いいだろう。

隊服に腕を通し、黒髪を一つに高く結い上げ、羽織をはおる。ちなみによく分からない変な隊服が来たので送り返したら、謝罪とまともな隊服が送られてきた。謝罪の内容がこのようなことがないよう、担当者に死ぬようにいい聞かせましたと書いてあったので大丈夫かなぁと不安になったのはここだけの話だ。

ちなみに日輪刀の色だが、まじでよく分からない色だった。
師匠が言うには土留色(とどめいろ)らしいが、水の呼吸だから青色が見れると期待した刀鍛冶さんにはあからさまにがっかりされた。泣きたいのはこっちである。なんか赤紫なのか青紫なのか黒紫なのか、角度を変えると違う色に見えて訳がわからない。
色で適性が分かるというがこんなよく分からない色は見たことがないと言われた挙句、
昇進は難しいだろうとか言われて、地位に固執するつもりはないが出鼻を挫かれた気分だった。

侍さんにも首を傾げられた。
侍さんの刀は黒であり、並べてみると確かに私の色は黒ではないことが分かる。
まぁ、いいか。気にしても仕方ない。要は倒せればいいのだ。

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- とても面白いです!!続編楽しみにしてます!! (2020年6月5日 9時) (レス) id: a49d59262b (このIDを非表示/違反報告)
花浪(プロフ) - いつも楽しみにしています!とても面白いです!続編でも頑張ってください!! (2020年5月31日 22時) (レス) id: ade9f5ce10 (このIDを非表示/違反報告)
- (個人の予想ですけど)侍さん多分継国縁一ではないかって思うのです (2020年5月22日 0時) (レス) id: 08cfac3417 (このIDを非表示/違反報告)
花浪(プロフ) - 額に痣と虚無が着物着たような人で分かりましたww 更新いつも楽しみにしています!頑張ってください!! (2020年5月9日 0時) (レス) id: ade9f5ce10 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃ好きです!以前からあなたの小説を拝読していましたが、今回も凄いですね!!更新頑張ってください! (2020年5月6日 14時) (レス) id: 60842cb6dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杏子メロンパン | 作成日時:2020年5月4日 20時

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